日本の指導者が「何でできないんだ」と言うワケ 米国を知る2コーチが語る“環境の相違”
■新谷信明、菊池タクトの両氏が語り合う“分割ドリル”にたどり着いた理由
米国で少年野球チームの監督を務め、アカデミーも開講する新谷信明氏と、その新谷氏にメソッドを学び、日米両国で得た知識を生かして育成現場に携わる菊池タクト氏。その両者が、「野球動作を分解して教える」ドリルにたどり着くまでの経緯や理由を語り合う。
【全指導者必見】「子どもたちの食いつきも良い」 米国流“分割練習”を日本で取り入れる利点
今シリーズで打撃動作、捕球動作を分けて段階的にスキルを学んでもらう手順を披露した両者。従来の日本の野球指導では見られなかった方法だが、誕生までの経緯について、新谷氏は次のように語る。
「子どもたちに『捕れよ』と言うだけではうまくいきません。どう技術指導をしていくのか考えた時に、動きを少しずつ分解して、その習得を繰り返していく方が、子どもの食いつきも良かったんです」
指導者として、いきなり選手に打たせたり捕らせたりして、「何でできないんだ」と言ってしまったり、逆に選手として指導者に言われたりした経験は、多くの人にあるのではないだろうか。「そう言うのは簡単ですが、課題を見つけてあげるのが指導者の仕事。どういう過程を踏めば改善できるのかを考えた時に、やはり分解したほうがよかった」と新谷氏は付け加える。
新谷氏の下で7か月間学んだという菊池氏は、「何でできないんだ」となる要因に、“全体行動”を重視する日本との練習環境があるのではないかと指摘する。
「チーム練習だと、どうしても全体に目が行き届きませんし、上手くいかなかったことも流すしかありません。でも、マンツーマン指導だと、『何でできないんだ』なんて言ったら、こっち(指導者)の責任になります。コーチの資質だけではないと思います」
その上で2人は、米国流分割練習を日本で取り入れるメリットや方法に言及していく。今シリーズで紹介してきた分解方法は「これが全てではないし、新しく変えてもらってもいい」と新谷氏。2人の言葉は、大人たちに新しい気づきを与えてくれるはずだ。
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