前足で「止める」意識が大切　一本足で股関節に体重を乗せる“米国式”投球練習法

2024.04.20

■米国の少年野球チームで監督…新谷信明氏が紹介する練習術

「指導者はエンターテイナーであれ」をモットーに、米国で少年野球チームの監督を務め、アカデミーも開催している新谷信明氏。今回の動画では、新谷氏に師事し、自身も「野球スキルコーチ」として活動している菊池タクト氏との特別対談を通して、“米国式”の投球練習法を公開する。

　投球で重要になるのは、踏み出した前足で「止める」という意識。幼少期は「勢いだけで投げてしまう子が多い」と新谷氏は言う。まずは、プレートを踏む後ろ足のかかとと、前足のかかとが一直線になるように足を開き、投げる体勢を作る。そして、投げた後に前足一本で立つ練習を行う。

「上半身はトップの位置で、パワーポジションの“Sの字”を作ることが重要です。そして腕を振った時に前足一本でフィニッシュして、上半身の流れを防ぐようにしましょう」

　板の上などバランスが取れるところでも行い、慣れてきたら一連の投球動作の中で、前足が地面と垂直になるフィニッシュを意識する。菊池氏は「特に日本は、右投手であれば、投げた後に左足が三塁側に傾く人が多い」という。しっかりと股関節に体重を乗せることを意識することで、パワーも伝わりやすくなる。

　新谷氏は、タオルなどを持って行うシャドーピッチングを推奨する。肩肘を消耗することなく、しっかりとしたフォームを作ることが目的だ。

「米国でも野球肘を気にしている保護者が多いです。（ボールを）投げないとわからないこともありますが、小さなうちからは球数はあまり投げさせません」

　まずがボールを投げたい気持ちを抑えて、一本足で立つフォームを身に付けることが、好投手への第一歩だ。