外野から「強く、低く」は正解? 肩弱くてOK、受け手も安心…確実性高まる「山なり送球」

外野から「強く、低く」は正解? 肩弱くてOK、受け手も安心…確実性高まる「山なり送球」

■外野手部門でGG賞4度獲得…坂口智隆氏は「柔らかいワンバン返球」を推奨

 

 イチロー(元マリナーズほか)のような“レーザービーム”返球ができるようになりたい――。外野手にとっては、そんな憧れを抱くかもしれない。また、指導者としては外野返球は「強く、低く」を求めるものだろう。

 

 しかし、それは本当に正しいのだろうか? オリックス、ヤクルトで20年間プレーし、外野手としてゴールデン・グラブ賞を4度獲得している坂口智隆氏は、「山なり送球を練習したほうが得策」と異なる意見を唱える。

 

【全外野手必見】肩の強い・弱いは関係なし 山なりで柔らかく…確実性高める外野手「送球ドリル」

 

 坂口氏は決して肩の強いタイプではなかったというが、2009年シーズンにはパ・リーグ最多の14補殺をマーク。意識していたのは「山なりで、柔らかく、捕り手が捕球しやすいワンバウンドの返球」だ。およそ、プロの名外野手には似つかわしくない言葉だが、明確な理由があると語る。

 

 まず、「強く、低く」だと、送球がブレる可能性が高まること。動画の中で坂口氏もNG例を実演しているが、思い切り投げることを意識しすぎると、フォームが崩れたりリリースポイントがズレたりし、送球があらぬ方向に曲がったりする。当然、受け手としては捕りにくい。それならば、山なりで柔らかい方が捕球しやすく、タッチプレーにも行きやすい。

 

 

「もちろん、強く低く(正確に)投げられるのであれば、練習すればいい。でも、打者走者がいる場合は進塁を防がなければいけないし、コリジョンルールができてからは、より捕手への送球の正確性が求められるようになった。ならば、柔らかいワンバンの方が、捕る方もストレスがないと思います」

 

 返球が間に合うのかと不安になるかもしれないが、坂口氏が実演すると、確かに力みのない返球でも、ワンバウンドして正確に受け手のグラブに収まっており、確実性の高さがわかる。坂口氏は、具体的に、どの辺りでボールをリリースするのか、腕振りでの注意点、練習の際に意識すべきことを語っている。「これ(山なり)でも届く、という安心感があれば、試合での余裕にもつながる」。肩が弱いと感じている外野手たちに、届けたい超一流の言葉だ。

 

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