■米国野球に精通する新谷信明氏が伝える…分解して学ぶ守備練習法

 

「指導者はエンターテイナーであれ」の信念の下、米国で少年野球指導に携わる新谷信明氏と、その新谷氏に米国で指導メソッドを学んだ野球スキルコーチの菊池タクト氏が、“野球の本場”で支持されるコーチング論を展開するシリーズ。

 

【全野手必見】「結構、息が上がります」　短時間で運動量も確保、“分割式”守備練習メソッド

 

　今回の動画では、新谷氏が現地の子どもたちを相手に実践している守備練習法を紹介する。ポイントは「動作を分割して学ぶ」ところだ。

 

　新谷氏の守備レッスンは、グラブははめずに素手で、両膝をつけた体勢からスタートする。小さい子の中にはボールに恐怖感を持つ選手もいるため、軽いプラスチックボールを使うというのも実践的だ。

 

　最初のドリルは、3メートルほど離れた場所から転がしたボールを、ひたすら両手で捕球し、横にトスしていくというもの。同じ動作を繰り返すうちに目線が下がっていかないように注意する。次は、同じ姿勢のまま、手前でショートバウンドしたボールをキャッチ。同じように捕ったボールは横にトスしていく。

 

　両膝つきの次は、「立って中腰の姿勢で」→「左右にステップを踏みながら」の順番で、同じく、転がしたボール→バウンドさせたボールの順でキャッチしていく。特にステップを踏みながらのドリルは、動体視力を養う練習にもなる。

 

　さらには、斜め前に置いたボールを拾いスローイングの構えまで持っていくドリル→前から転がしたボールを捕りスローイングの構えまで持っていくドリル、と続けていく。ここまで来ればわかるが、新谷氏の指導は守備の動きを分割し、「少しずつ段階を踏みながら」伝えているのが要諦だ。

 

　実演役が「結構、息が上がりますね」と顔を紅潮させたように、1球1球のテンポがとても速い。「リズムを大切にガンガン進みます。休ませずに動き続けることを大切にしています」と新谷氏。メニューのバリエーションがつき、かつ短時間でも運動量を確保できる「分割守備練習」。狭い屋内でもできるので、動画を参考にぜひトライしてほしい。

 

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