少年野球の指導者は子どもたちをどう導くべきか “米留学”で鷹コーチが得た気付き

少年野球の指導者は子どもたちをどう導くべきか “米留学”で鷹コーチが得た気付き

■鷹・倉野信次コーチが米留学で実感…「野球が楽しい」の気持ちが導く努力

 

 ホークスで投手として活躍した倉野信次氏は、引退後にコーチとしてチームを支え、昨年まで米国で2年間“武者修行”した。小中学生、高校生に重要なのは、いかに野球の楽しさを覚えられるかであることをを米国で強く実感。動画では米プロ野球の厳しさや、選手たちの意欲をかき立てる指導などについて解説している。

 

【指導者必見】鷹コーチが米留学で実感…選手の意欲をかき立てる指導

 

 倉野氏は2009年から2021年までホークスのコーチとして投手育成に尽力。2022年に渡米してレンジャーズ傘下マイナーでコーチ研修を受け、昨年はマイナー投手育成コーチを務めた。その中で実感したのは、チーム内での競争が、日本のプロ野球よりはるかに苛酷であるということだ。

 

 下部組織を含めて、チームには日本のNPB球団の倍以上の選手が所属。シーズン中の解雇も日常茶飯事だ。こうした状況を実際に見て、「日本は恵まれている部分があります。ハングリー精神が少し薄れている選手を(日本では)目の当たりにしてきました。指導者として、どうやってそういう気持ちを持たせるかが課題になってきます」と語る。

 

 一方で育成年代の小中学生や高校生に対して、米国では野球の楽しさをいかに覚えてもらうかが最優先事項であると指摘。「小中学生にはハングリー精神は必要ないと思います。いかに野球の楽しさを覚えてもらうか。野球が楽しいと思えれば、もっとうまくなりたいとう気持ちでグラウンドに来る。これが米国の良さだと思います」と述べている。

 

 日本には、高校生に甲子園という“文化”がある。倉野氏は「素晴らしいと思う」とした上で、「根本的には選手が自分でうまくなりたいと思えるかどうかがすごく大切。そのため指導者はどう接するべきなのかを考える必要があります」と訴えている。

 

 育成年代に野球の楽しさを覚えることが、後に自分で努力できるという能力の醸成にも繋がる。少年少女を指導する指導者の責任は、極めて重要と言えるだろう。

 

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