打者100%有利の場面も…捕手の考え方は“二者択一” 投手を楽にさせる「洞察力」

打者100%有利の場面も…捕手の考え方は“二者択一” 投手を楽にさせる「洞察力」

◼️プロ4球団で活躍…野口寿浩氏がカウント「0-3」の心構えを解説

 

 ヤクルト、日本ハム、阪神、横浜(現DeNA)の4球団で21年間プレーした名捕手・野口寿浩氏が、「0-0」から「3-2」まで、全12カウント別の配球論を座学形式で解説していくシリーズ。今回は「3ボール・ノーストライク」がテーマだ。ヤクルト時代には名将・野村克也監督の教えも受けているだけに、その一言一言が実に興味深い。

 

【全野球人必見】窮地のカウント…捕手が観察するポイントとは 元プロが披露する“きめ細かい”洞察力

 

 カウント「0-3」は打者が100%有利、バッテリーにとっては“窮地”の場面に見えるが、捕手としてやるべきことはシンプルだと野口氏。つまり、打者心理を考えれば「打ちに来るのか、1球待つのか」の二者択一しかなく、そのいずれかを雰囲気などで察知すればよい。「それが鍵というか、そこしかないと言っても過言ではありません」と語る。

 

「打ちに来ない」と思えばど真ん中で1ストライクを取りにいけばいいが、では「打ちにきそうだ」という場合にはどうするか。ここも考え方は至ってシンプル。打者心理ではコースを絞って真っ直ぐを狙いにくるだけに、「それを避ければいい」というわけだ。

 

 圧倒的に打者有利のカウントではあるが、それは打ち損じた場合の“ダメージ”も逆に大きいことを意味する。捕手として焦ることなく、投手を落ち着かせてリードしていけいいし、「100%不利なんですけど、あれこれ考える必要はないカウント」と野口氏は指摘する。

 

 それでは、“雰囲気から察知する”にはどうするか。そこからの野口氏の話が興味深い。投手に返球した後にどこを見るのか、なぜそこを見るのか。1死三塁の場面で“怪しいサイン”が出た場合にはどこを観察するのか……。

 

 周囲が気づかないところで、どれだけ頭脳を駆使しているのか。その観察力・洞察力には感心するばかり。捕手を務める選手だけでなく、全野球人が刮目すべき配球論シリーズだ。

 

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