守備の名手実演…膝つきから始める“短距離ノック” 捕球の確実性高まる“良い距離感”

守備の名手実演…膝つきから始める“短距離ノック” 捕球の確実性高まる“良い距離感”

■元オリックス・大引啓次氏の守備を鍛えた“数メートル”から始めるノック

 

 かつてオリックス、日本ハム、ヤクルトで計13年間プレーし、遊撃を中心に守備の名手として鳴らした大引啓次氏。今回の動画では、自身も現役時代に実践した“短距離ノック”の方法を公開している。

 

 短距離ノックは、数メートルの距離で正面に軽くゴロを打ってもらうもので、「膝つき」→「股割り」へと段階を踏む。

 

【全内野手必見】守備の名手・大引啓次氏が実演 “良い距離感”が身に付く「短距離ノック」

 

 まずは両膝をついた状態で捕球を繰り返す。「下半身を意識せず、上体を柔らかく使ってハンドリングを行うことに集中するため」だという。捕球に際し、大引氏が強調するのは目とボールの間に「良い距離感」を保つこと。

 

 

「遠すぎると腕が突っ張る。かといって近すぎると、体が縮こまって自由が利かなくなる。腕のクッションを使える、適度な距離感が望ましいです」

 

 同時に、「自分の体の真横で捕らないこと」も“鉄則”に挙げる。真横から後方で捕ると、捕球の瞬間を感覚に頼らざるをえず、確実性が落ちる。「自分の目に見える範囲内でボールをグラブに収める」ことを求めるのだ。

 

 慣れてきたら、ノッカーとの距離を10メートル、15メートル、20メートルへと徐々に伸ばしていく。ただし、距離が離れ、打球が多少速くなっても、捕球の要領は同じ。目とボールの距離感を適度に保ち、真横より前方の、目に見える範囲でボールを収めることを変えてはならない。

 

「膝つき」の状態での捕球が体になじんだら、「股割り」へと進む。実戦でも、特に内野手はしっかり股を割って構えることが重要だ。下半身が棒立ちに近い体勢で起こる弊害についても、大引氏は明確な言葉で解説してくれる。

 

「股割り」で正面の打球を受けた後は、シングルキャッチ、逆シングル、体を動かしながらの捕球へと進んでいくが、常に「良い距離感」を保つこと、目で見える範囲でボールを収めることは一貫して変わらない。派手ではなくとも堅実な守備が持ち味だった、大引氏のイメージにぴったりのドリルと言えそうだ。

 

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