最も難しい初球の選択…捕手はどうすべき? 現役21年の元プロが明かす配球の極意

最も難しい初球の選択…捕手はどうすべき? 現役21年の元プロが明かす配球の極意

■ヤクルト、ハム、阪神、横浜で現役21年…野口寿浩氏の配球論

 

“扇の要”である捕手には、多くの能力が求められる。キャッチング、スローイング、そして配球は極めて重要な要素だ。プロ野球の捕手は、どんなことを考えて投手にサインを出しているのだろうか。21年の現役生活を送った野口寿浩氏がカウント毎の“配球論”を動画で紹介してくれた。

 

 野口氏はヤクルト、日本ハム、阪神、横浜(DeNA)でプレーした。ヤクルトでは野村克也監督にID野球を学び、日本ハム時代の1998、2000年にはオールスターにも出場。2017年にはヤクルトの2軍、2018年には1軍でバッテリコーチを務めた。そんな野口氏が配球で最も難しいのは全12カウントの内、「初球」と語る。

 

「初球は(守備側に)不利なカウントです。球種の選択が一番難しい。(打者は)何の反応も見せていないので、何を狙っているか分からない。そこをどうかいくぐっていくか」と野口氏。狙っているのは直球か、変化球か。初球に対する打者の反応から見定めることもあったという。

 

【捕手必見】初球は「不利なカウント」 プロ生活21年の捕手が語る“配球論”

 

 例えば外角ボールゾーンに変化球を要求し、速球のタイミングで打ちにいってバットを止めたのか、変化球を待ってしっかり溜めた状態で見送ったかを見定めて2球目以降に役立てた。逆に内角ボールゾーンに直球を投げさせることも。「真っ直ぐを待っていたらよける反応は早い。変化球を待っていればギリギリでよける。そういうところを捕手は見逃してはいけません」と野口氏は力説する。

 

 明らかに直球を狙っている打者に対しては、初球に緩いカーブを使うことも多かったという。「これを狙うには勇気と根拠が必要。ほぼ真ん中でもストライクを取れました」と振り返る。ただ、カーブを得意とする投手はこの限りではないという。

 

 事前の準備は必須であり、投手、相手打者の特徴などを踏まえて決定する初球。「不利なカウント」から突破口を見い出す1球の選択に、捕手の本質が問われる。

 

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