球速を上げたい少年期に欠かせない土台作り 野球だけにこだわらない動作

球速を上げたい少年期に欠かせない土台作り 野球だけにこだわらない動作

■最速155キロを投じる投球指導者・内田聖人さんの球速向上のメカニズム

 

 ダルビッシュ有投手(パドレス)や千賀滉大投手(メッツ)ら現役メジャーリーガーも師事する投球指導者の内田聖人氏は、自身が現役引退した今も球速を上げようと努力をしている。軟式で155キロを計測し、今もなおトレーニングを積む。球速アップについていくつも要素がある中で、ボールにロスなく力を伝える方法を伝授してくれた。

 

 TURNING POINTで紹介する2回目の動画では『球速向上のメカニズム「2つの重要な要素」』と題し、内田氏が子どもの頃から持っていてほしいことを伝えている。

 

 球速アップは投手を目指す子にとっては永遠のテーマ。ただ出力ばかりにこだわっていてはいけない。「ボールにロスなく力を伝えるということに凄くこだわって、自分自身も球速を上げてきました」と話すように、動画内で40~50メートルほどの遠投ではリリースに全神経を集中し、放たれたボールが一直線に伸びていく様子がよく分かる。

 

【実際の動画を見る】リリースに全集中して一直線に伸びる遠投 内田氏が披露した球速アップにつながるフォーム

 

 ただ、内田氏は「加速」だけではなく「減速」の部分も大切にしている。車で例えるなら、出力を上げる「アクセル」も大切だが、「そのスピードに耐えられる『車体』と『ブレーキ』があるからこそ、安心してアクセルペダルを踏み込むことができる」と投球動作を車の動きに例えて、わかりやすく解説した。

 

 球速が上がることで肩や肘に負荷がかかるのも事実。怪我もしやすくなると考えがちだが、内田氏は「速い球を投げるというのと、怪我をしないというのは意外とイコールになってくる」と話す。球速が出たときにしっかりと耐えられる体を作らなければいけない。その土台を作るためのトレーニングが大事になってくる。土台となる筋力があるからこそ、速い球が投げられる。逆に考えると、土台がしっかりしていなければ、速い球を投げることはできない。

 

 少年期の土台作りはどう行えばいいのだろうか。内田氏は「野球に限らずいろんな遊びをする」ことを推奨する。「まずはいろんな動作、いろんな動きを獲得してほしい。例えばケガをしたくないからこのフォームにしたい、っていうのも、自分の体をそういう風に動かさないといけないというのにつながってくる」。サッカーや陸上なら細かいステップ動作も必要になるし、水泳なら泳法によって様々な方向に肩を回す。スポーツが違えば体の動きも違ってくる。

 

 少年期は野球だけに偏らず、他競技で様々な動作を経験し、自分の体をある程度、自在に動かせるようにしておきたい。

 

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