イライラ口出しに息子「もう試合来ないで」 父は意地張るも…訪れた半年後の“転機”
■自身は選抜V…3人の息子も“甲子園球児”に育てた黒川洋行さんの親子関係
干渉から見守りへ。方針を変えて“甲子園出場”をサポートした。楽天・黒川史陽内野手ら3人の息子を育てた黒川洋行さんには、息子たちとの接し方で転機があった。First-Pitchでは、「甲子園球児の育て方」をテーマに、甲子園へ導いた元監督、元球児やその保護者にインタビュー。3兄弟を名門に送り込んだ、父親の葛藤に迫る。
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黒川さんは1993年に大阪・上宮で選抜優勝を成し遂げ、同志社大、ミキハウス、セガサミーと社会人まで野球を続けた。現役引退後は奈良県でバッティングセンターを経営し、昨年4月からは社会人野球のSUNホールディングスで監督も務めている。
父親としては3人の息子を“甲子園球児”に育てた。長男の大雅さんは宮崎・日南学園で春夏連続出場。次男の史陽さんは和歌山・智弁和歌山で5季連続出場を果たし、卒業後はドラフト2位で楽天に入団した。三男の怜遠さんは新型コロナウイルスの影響で大会が中止になったが、石川・星稜で選抜切符を手にした。
黒川さんは甲子園出場で世界が変わった自身の経験から、息子たちにも同じ思いを体験させたいと考えていた。時間を作って一緒に練習し、試合観戦後は息子たちに改善点を指摘するなど、熱心に関わっていた。
ただ、うまくできない息子たちのプレーにイライラして、怒る時もあったという。「特に長男は中学生になったばかりの頃、硬式に恐怖心を持っていたので『怖がらずに踏み込んで打て』と怒ってしまいました。本人は口にしていませんが、野球が嫌になっていたかもしれません」と振り返る。
■“口出し”やめたことで起きた変化…息子たちから「質問が増えた」
息子たちとの接し方を変えたのは、史陽さんが中学1年の時だった。試合観戦後、いつものように気になったところを指摘すると、「もう試合に来ないでくれ」と告げられた。黒川さんも「お前の野球なんか一生見るか」と言い返した。
しかし、半年後、こっそり試合を見に行った姿が、史陽さんのチームメートに見つかった。自宅に帰ると、チームメートから父のことを聞いた史陽さんから「もう来てええで」と声をかけられた。その時、黒川さんは「今後、息子たちに口出ししないようにしよう」と決めた。すると、関係性に変化が生まれたという。
「息子たちから『あの打席で打った球は、手を出さなかった方がよかった?』『あの投手はどうやって打ったらいい?』と、質問が増えました。素振りを見てほしいとも言われるようになりました」
黒川さんは、これまで以上に3人の息子のプレーや気持ちの変化に注意を払い、質問には何でも答えられる準備を整えた。高校進学で離れて暮らすことになっても電話やLINEで頻繁に連絡を取り合い、アドバイスを送った。
野球をする息子との関係に悩んでいる父親の、ヒントとなる黒川さんの子育て。4月1日から5夜連続で開催される「甲子園予備校」でも、その経験談を披露する。
■3人の“甲子園球児”を育てた黒川洋行さんも“参戦決定”!
First-Pitchと野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」では、4月1日(月)から5夜連続(午後8時から)で、オンラインイベント「甲子園予備校」を開催します。甲子園出場経験のある監督、選手と保護者がYouTubeライブに登場。指導方法や練習方法、日頃の生活習慣など、自身の経験を基に、夢や目標を叶えるための対策や準備についてヒントを授けます。参加費は無料。詳細は以下のページまで。
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