高1冬の絶望「疲れとれない」 一時は裏方も…“嫌われ役”で引っ張った甲子園大旋風

高1冬の絶望「疲れとれない」 一時は裏方も…“嫌われ役”で引っ張った甲子園大旋風

■2018年夏の甲子園、準優勝を果たした金足農業で主将を務めた佐々木大夢さん

 

 2018年夏の選手権大会で巻き起こした“金農旋風”は、今もなお高校野球ファンの記憶に残っている。個性的なメンバーをまとめ上げ準優勝に導いたのが、主将を務めた佐々木大夢さん。First-Pitchでは「甲子園球児の育ち方・育て方」をテーマに、甲子園へ導いた元監督や、元球児、その保護者にインタビュー。夢や目標を叶えるために、それぞれの立場で実践できる“成長のヒント”を探った。

 

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 吉田輝星投手(現オリックス)を擁する金足農業は2018年、第100回記念となる夏の選手権大会に出場。初戦で鹿児島実業(鹿児島)を破ると、大垣日大(岐阜)、横浜(南神奈川)、近江(滋賀)、日大三(西東京)と次々と強豪校を撃破し、秋田県勢では103年ぶりの決勝進出を果たす快進撃を見せた。決勝では大阪桐蔭(北大阪)に敗れたが、当時、主将だった佐々木さんは「相手は同じ高校生。どこであろうが関係ない。甲子園を思う存分楽しみました」と振り返る。

 

 球児なら誰もが羨む高校野球生活だが、その道のりは順風満帆ではなかったという。

 

「体力には自信があったのに、走っていても周回遅れで。同時に体の疲れがとれなかった」。高校1年生の冬に異変を感じ、病院に向かうと甲状腺疾患の「バセドウ病」と診断された。

 

 憧れの甲子園を目指し、チームメートと白球を追いかける日々が突然、暗転した。3年生が引退し、下級生にもチャンスが広がる時期だけに「病院の先生から『走ってはダメ』と言われて。このままじゃ野球ができない。頭が真っ白になりました」と絶望感に襲われたという。

 

■半年間の遅れを取り戻すため猛練習…「1ミリもつらいと思ったことはなかった」

 

 一度は退部も考えたが、指導者の説得もありマネジャーとしてチームを支えることを決断。1年生の12月から2年生の8月までは裏方として選手を鼓舞し、時には厳しい言葉でプレーや生活態度を指摘することもあった。転機が訪れたのは、高校2年生の夏の県大会決勝で敗れた時だった。

 

「その時にスコアラーとしてベンチに入っていましたが、あと一歩で甲子園を逃し、本当に悔しくて……。病気の症状も落ち着いていたこともあり、またプレーヤーとして戻りたいと、決勝で負けた夜に思いを伝えました」

 

 最上級生で選手として復帰し、主将にも就任した。「周りとの(体力的な)ギャップはかなりありましたが、大きな差を埋めるには練習しかない。野球人生のなかで一番練習したと思います。でも、気持ち的には1ミリもつらいと思ったことはなかった。野球ができる喜びを改めて感じました」。同級生が厳しい練習を乗り越え、着実に力をつけるなか、佐々木さんもまた半年以上の“遅れ”を取り戻すため、昼夜問わず練習に取り組んだ。

 

 努力の甲斐あり春には背番号一桁を手にし、レギュラーを獲得。その後は夏の県大会を制し、甲子園では“旋風”を巻き起こした。酸いも甘いも経験した高校野球は「キャプテンとしてチームのために自分は嫌われてもいいから言う。あとは背中で示すこと。この2つは常に考えて行動していました」と口にする。

 

 現在は会社員として働き、将来的は指導者としての活動も視野に入れている。病気を乗り越え、誰よりも努力してつかんだ“ポジション”。高校野球で得た経験は今も胸に刻まれている。佐々木さんは4月1日から5夜連続で開催される「甲子園予備校」にも参加予定。高校生活での逆境を乗り越えた精神や技術をどう培ったのか、披露してくれる。

 

■金足農業元主将・佐々木大夢さんも“参戦決定”! 「甲子園予備校」開催

 

 First-Pitchと野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」では、4月1日(月)から5夜連続(午後8時から)で、オンラインイベント「甲子園予備校」を開催します。甲子園出場経験のある監督、選手と保護者がYouTubeライブに登場。指導方法や練習方法、日頃の生活習慣など、自身の経験を基に、夢や目標を叶えるための対策や準備についてヒントを授けます。参加費は無料。詳細は以下のページまで。

 

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