大谷翔平を育てた野球ノート 垣間見える“素顔”…練習だけでなく「頭の訓練も大事」
■チーム強化へ「考えること、書くことが大事」と金ケ崎リトルシニア・大谷監督
2014年に岩手県金ケ崎町に創設された中学生の硬式野球チーム「金ケ崎リトルシニア」を率いるのが、社会人野球の三菱重工横浜で外野手としてプレーした大谷徹監督だ。ドジャース・大谷翔平投手の父として知られる大谷監督は、「野球ノート」を書くことをチーム強化の一環として行っている。
大谷監督といえば、大谷の小学生時代にその日の反省や課題をノートに書いてもらい、評価やアドバイスを書いて返信していたことで知られる。「一生懸命に走る」「キャッチボールを大事にする」などを伝えてきたが、金ケ崎リトルシニアの中学球児にはアレンジを加えているという。相手の戦力分析だ。
「チームのデータをつけるようにしています。相手チームのスタメンや投手の左投げ右投げ。相手投手の球種だったり、『自分のためのデータを持っておきなさい』と伝えています。次に対戦した時に、少しでもプラスになるようにしています」
野球ノートは「自分に役立つようなら、どういう使い方をしてもいい。考えること、書くことが大事だと思っています」という。部員数が50人前後に増えた現在は、春夏秋冬の年4回ほど大谷監督に提出。大谷監督は一筆を入れて返しているという。
金ケ崎リトルシニアは週末の土日と水曜日に活動。「自主トレにしても、ただ上げてもらったトスを打つ、素振りをするのではなく、打席を想定して。ボールをイメージした練習をしなさいと話をしています。頭の訓練も大事だと思っています」と大谷監督は語る。これが狙いだ。
■佐々木麟太郎の野球に対する考え方は「お父さんに似ている」
そんな指揮官を驚かせる選手が過去にいたという。花巻東高で高校通算140本塁打を記録した佐々木麟太郎内野手だ。
「他の選手の回収したノートを見たら、きれいな字でコメントされていて、最初は学校の先生が書いたのかと思ったんです」。チームメートの野球ノートにコメントを書いていたのは、当時チームのキャプテンだった佐々木だった。「(佐々木は)後輩に向けて、いろいろと書いてました。野球に対する考え方や人間的なところは、お父さん(花巻東高の佐々木洋監督)に似ていますね」。選手の素顔を知るきっかけにもなる。
岩手を本拠地とする金ケ崎リトルシニア。冬場は「打撃練習しかできなくなる」と、思うように実戦練習を積めない環境だ。大谷監督は「翔平は中学生まではウチにいたので、頭の訓練はやっていました」と振り返る。ただ、闇雲に練習するだけでなく、このように頭脳を使うことが上達への近道と言える。
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