キャッチャーコーチが明かす意外な“ビタ止め”練習法 「やりがちなミス」とは?

キャッチャーコーチが明かす意外な“ビタ止め”練習法 「やりがちなミス」とは?

■鷹・甲斐拓也を指導した経験も持つ緑川大陸氏が実演する「素手捕球ドリル」

 

 知る人ぞ知る“ビタ止め捕手”で、キャッチャーコーチとして小学生からプロまでを幅広く指導し、ソフトバンク・甲斐拓也捕手から自主トレに招かれたこともある緑川大陸氏。今回の動画では、投球の軌道に対して真っすぐにミットを入れて、ストライクを取ってもらいやすいキャッチングをするための「素手捕球」ドリルを紹介している。

 

【全捕手必見】キャッチングの基本、“下から上”が3段階でしっかり身に付く ビタ止め捕手推奨の素手ドリル

 

 これまで2パターンの素手捕球ドリルを紹介してきたが、今回のドリルでは、【1】ショートバウンドを弾き返す、【2】ショートバウンドをキャッチする、【3】ノーバウンドをキャッチする、の3段階で練習を行っていく。

 

 いずれも実戦同様に座り、キャッチャーミットは外して、左手の親指と人差し指を地面につけた状態からスタートする。最初に、練習パートナーに至近距離から軽くショートバウンドのボールを放ってもらい、左手のひらで相手へ弾き返す。真っすぐ、ノーバウンドで打ち返すことが大事だ。

 

 緑川氏は「来たボールの軌道に左手がしっかり入っていなかったり、当たる場所が悪かったりすると、真っすぐ相手に返せません。左手の親指と人差し指の間付近にボールを当てて打ち返すことが理想です」と説明する。

 

 

 この練習には、「やりがちなミス」が付き物だという。「親指と人差し指を地面につけた状態を我慢できず、指を早めに地面から離して、上から下へ押さえつけるように返してしまうことです」。低めのボールに対して、キャッチャーミットを“下から上”に使うことが基本だ。指を地面につけた状態をギリギリまでキープし、一気に打ち返してほしいと言う。

 

 上手に打ち返せるようになったら、次は打ち返すのと同じ流れのまま、最後にボールをキャッチする。この時、「ボールを強く握る癖がある人は、捕球後に手の位置が左側にずれてしまいがちです」というから、注意が必要だ。あくまで打ち返す感覚をキープしたまま、来るボールの軌道にしっかり左手を入れることが“ビタ止め”の秘訣だ。

 

 ショートバウンドを上手く捕れるようになったら、最後にノーバウンド捕球に移る。緑川氏は改めて、ボールを捕る理想の位置を説明しながらも、「最初は『ここで捕らないといけない』とまでは考えなくていいです。楽しく、リズム、タイミングをつかんでもらえれば、この練習はOKです」と語る。

 

 素手による練習が、感覚を研ぎ澄ませ、ストライクを取ってもらいやすいフレーミングの技術を向上させていく。「結構、難易度が高い」というドリル実施に向けて、最後に緑川氏が保護者・指導者へ伝えるメッセージも必聴だ。

 

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