若者世代が陥る「老眼」とは? 野球に影響も…オフ期間こそ起こしたい“行動”
■長時間利用で「外眼筋や毛様体筋に影響を及ぼす」と野口信吾氏
野球のパフォーマンスに多大な影響を及ぼす「眼」。2022年のパ・リーグ首位打者・松本剛外野手(日本ハム)らをサポートするスポーツビジョントレーナーの野口信吾氏によると、練習時間が短くなるオフシーズンに注意してほしいこと、やってもらいたいことがあるという。First-Pitchでは少年野球の現場を知る“凄腕コーチ”12人に取材。今や必需品となった“機器”が、選手たちの眼にもたらすリスクと対処法について、野口氏に聞いた。
日常生活に欠かせないツールになったスマートフォン。日々の情報収集に必須のアイテムだが、野口氏は使いすぎは“禁物”と注意を促す。「オフは練習時間も短くなり、スマホなど電子機器とにらめっこする時間が増えてしまう選手も多いのではないでしょうか。ですが、使いすぎは眼に良くないので注意が必要です」と語る。
スマホなど電子機器を使いすぎると、眼球を動かす筋肉「外眼筋」が固まって目を柔軟に動かしにくくなる。また、眼のピント調節にかかわる「毛様体筋」も固まってしまう。
画面を長時間見続け、眼のピント調節がうまくいかなくなり視界が悪くなることは、若い世代では「スマホ老眼」と呼ばれる。眼を柔軟に動かせないと、顔や体を動かしてボールを追わなければならなくなり、野球のパフォーマンスも落ちてしまう。
■オフに受けておきたい検査…着手したい「周辺視」の強化
さらに長時間の使用は静止視力が落ちることにもつながる。静止視力は「眼のベースです」と野口氏。スマホを使うにしても「時間を決めて、それを守ってほしいです」と訴える。
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また、静止視力は突然落ちることなどもあるため、オフ期間に眼の検査を受けることも勧めている。メガネなどを使用する場合にはオフに慣れておくことも重要だ。
そしてもう一つが「周辺視」の強化。周辺視とは一点を見ながら周りも視界に入れる目の使い方。全体を捉える時に有効で、野球には必要不可欠な要素だ。「日常生活では凝視してしまう方が多いので、ぼんやり見ながら動けるようになるトレーニングの方が大事です」と強調する。
指導者も選手も眼の重要性を理解し、過度な負担はかけずに現状を検査でチェック。「周辺視」の強化に努め、来シーズンに臨みたい。
(片倉尚文 / Naofumi Katakura)
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