ティー打撃の工夫で「高低に強い」バッターへ 名スコアラーが説く“苦手克服”練習法

ティー打撃の工夫で「高低に強い」バッターへ 名スコアラーが説く“苦手克服”練習法

■“影のコーチ”元巨人スコアラー・三井康浩氏が提案するティー打撃の工夫

 

 巨人のスコアラーを長年務め、2009年の第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では日本代表のチーフスコアラーとして優勝に貢献した三井康浩氏。数多くの名選手たちの技術向上をサポートした専門家が、高めが苦手な打者、低めが苦手な打者、変化球が苦手な打者へ向けて、それぞれの打ち方と効果的な練習法を「TURNING POINT」の動画で提案している。

 

 三井氏が重視する練習法は、ティー打撃だ。巨人スコアラー時代には毎試合前、当時現役だった高橋由伸氏らにトスを上げる姿があった。

 

 まずは、高めの打ち方。「高めが苦手な選手は大抵、“下から上”に打ちたがります。そうすると接点が少ないので、どうしてもファウルチップや空振りになります」と解説した上で、「高めの球を遠くへ飛ばすのに、力は全然いりません。ポンと払うだけで飛んでいきます。背負い投げの感じで打つと簡単に打てます」と断言。

 

 克服法として、ティー打撃で頭よりも高いボールを“大根切り”で打つ練習を勧めており、そのポイントを解説。この練習は「どんなに癖のある打者でも、打撃の“軸”をつくるのにも有効」と全打者にプラスαの効果があることを説明する。

 

 一方、低めを打つには「どうしてもポイントが近くなるため」、体の中心線上の低い位置にトスを放ってもらって練習するのが効果的だと語る。注意すべき、膝の高さなどのチェックポイントとともに解説してくれる。

 

【全打者必見】元巨人スコアラーが明快解説…「高低に負けない」打者になるためのティー打撃

 

 そして、変化球を打てるようになるには、体の前方(投手寄り)の低い位置にトスを放ってもらうのが効果的だと語り、軸足の意識などの注意点を解説。この練習を積めば「とっさに変化球が来た時に、ワンハンドで拾ってホームランにするような打ち方ができるようになります」と三井氏はうなずく。

 

 プロ野球で左打ちのスラッガーが落ちる変化球に泳がされながら、右腕1本でスタンドへ運ぶことがあるのも、ティー打撃での意識を大切にしているからこそだ。巨人時代、肩書はスコアラーでも“影のコーチ”とささやかれた三井氏の理論は、実に明快だ。

 

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