「足だけで甲子園出場」 鮮烈の1試合7盗塁…走りの専門家が語る盗塁成功の“コツ”
■ランニングトレーナーの村田和哉氏は大学で野球から陸上に転向
足は誰でも確実に速くなる――。福井商で甲子園に2度出場し、現在はランニングトレーナーとして活躍する村田和哉さんはインスタグラムなどで走り方や練習方法を公開し、子どもたちを後押ししている。福井大会では1試合7盗塁を記録したこともある俊足の指導理論には、前傾姿勢の大切さ、練習で大事にしたい順番などがあった。
村田さんは大学の途中まで、野球を10年間続けた。福井商では聖地・甲子園で2度プレーし「足だけで甲子園に出場した」と自己評価する。福井大会では1試合7盗塁を記録している。陸上を始めてから本格的に走りを学び、100メートルの自己ベストを10秒29まで伸ばした。6月末に野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」のオンラインイベントに出演し、足が速くなるドリルを紹介した。前傾姿勢のつくり方を身に付けると盗塁成功率は格段に上がるという。
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速く走る方法を追求する中で、村田さんは確実に足が速くなるフォームにたどり着いた。イベント内の「盗塁成功率爆上げドリル」では「投げ方や打ち方でパフォーマンスが変わるように、走りにも速く走るフォームがあります。どのように体を動かすか理解した上で、手順を踏んで練習すれば必ず足は速くなります」と話した。
村田さんが提案するドリルの1つは、壁を使って前傾姿勢を身に付けるメニュー。まずは、肘を曲げずに両手を壁につけて前傾姿勢をつくる。そのままの格好で片足の膝を上げる。この時、最短距離で膝を上げることを意識する。そして、「膝を上げた方の膝とかかとを結んだライン」と「反対側の足のかかとと頭を結んだライン」が平行になるように心掛ける。村田さんは前傾姿勢の重要性を次のように説明する。
「加速するために前傾姿勢をつくらないと、力が上に逃げてしまいます。体は起き上がる方が楽なので、前傾姿勢を意識して維持する必要があります。プロで盗塁数が多い選手は前傾姿勢のつくり方が上手いです。いきなり走りの中で正しい前傾姿勢を覚えるのは難しいので、壁を使って止まった状態で動きを身に付けます」
盗塁の成功率を上げるため、塁間の距離であれば、ずっと前傾姿勢で走るイメージで良いという。村田さんは「盗塁を含めて野球ではボールの動きを見ながら走るため、目線が横を向くと体が起き上がりやすくなります。この時、前に進む力が減ってしまいます」と指摘する。1秒に満たないわずかな差で成功か失敗かが決まる時もある盗塁。力を最大限、走りに生かす前傾姿勢が結果を左右する。
(間淳 / Jun Aida)
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