
「あいつは言うことを聞かない」は指導者の責任? 名コーチが説く“伝える力”の極意
日米の現場を知る倉野信次氏が教える「伝える力」の磨き方
指導の現場では、選手に何度教えても伝わらないもどかしさを感じる監督・コーチは少なくない。元ソフトバンクの投手で、日米でコーチングを学び、理論と実践を積み重ねてきた倉野信次さんは、指導において最も大切な要素は「伝える力」だと断言する。選手に対する愛情や寄り添う姿勢も重要だが、それらすべてを包括した上で、いかに相手に響かせるかが上達の鍵を握るという。
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たとえ指導者が100の理論を持っていても、相手の耳に届き、心に響かなければその価値はゼロになると倉野さんは指摘する。「俺の言うことをいつまでも聞かないから、あいつはだめなんだ」と選手のせいにするのは、自分に響かせる能力がないと言っているのと一緒だ。伝わらない原因は自分にあると考え、相手が耳を傾ける状態を作れているか、自問自答を繰り返す姿勢が求められる。
具体的な「伝える力」を磨くためには、タイミングや言葉のチョイス、声のトーンまで細心の注意を払う必要がある。選手によって、論理的な説明が響く人もいれば、抽象的な表現が響く人もいる。個々の性格や言動を普段から観察し、個人に合った伝え方を工夫することが、コーチとして伝える力を磨くことに繋がる。
指導の本質は、選手を良くするための逆算にある。自分の感情に任せて選手にアプローチするのではなく、選手が良くなるために今何が必要なのかを考え、瞬時に判断しなければならない。耳をふさいでいる状態の相手に何を言っても響かないため、どうやって相手に響かせ、良くさせられるのかを常に思考し続けることが、優れた指導者への第一歩となる。
「なぜいうこと聞いてくれないんだ」と行き詰まったら、それは自らの伝える力を磨くチャンスだ。タイミングや言葉選びを見直し、次のアプローチを模索し続けることが上達への近道になる。選手一人ひとりに寄り添い、成長への道筋を共に歩む。指導者の真摯な工夫こそが選手の心を開き、チーム全体のレベルアップに繋がっていくはずだ。
※経歴・情報は取材時
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