
「6歳までは手をかける」両親の格言が現実に…甲子園球児を育てた“付かず離れず”の子育て術
「意志なき者に道はなし」を体現…甲子園&六大学へ導いた両親の"見守る力"
子どもの自主性を育て、野球でも勉強でも成果を出してほしいと願うのは親の常だ。だが、過干渉にならず適切にサポートするのは難しい。そこで参考にしたいのが、兄は慶応高・慶応大、弟は早実・早大と名門校へ進み、共に甲子園出場と東京六大学野球でのプレーを果たした鈴木裕司・健介兄弟の例だ。現在は一流企業で活躍する文武両道の2人が育った背景には、明確な「親子の距離感」と独自のルールが存在した。
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鈴木家には子育ての座右の銘がある。「6歳までは手をかける。中学生からは目をかける。大学生以降、社会人、親になったら気にかける」。子どもの成長度合いに合わせて親が接し方を変え、段階的に自立を促す考え方だ。実際に兄の裕司さんも「だんだんと手を離す」感覚があったと振り返る。高校以降は「大人みたいな扱いをしてくれて、意思を尊重してくれるようになった」ことで、自ら考える力が養われていった。
多忙な両親だったが、親子のコミュニケーションには鉄の掟があった。それは、家族が揃う食事の時間は「テレビを消す」「携帯を触らない」というルールだ。会話をする時間を確保するという理由で徹底され、母はどんなに疲れていても帰宅後に子どもたち一人一人と話す時間を設けた。学校での出来事を「今日どうだったの?」と聞かれる環境が、子どもたちが自分の言葉で状況を説明する能力や、家族の信頼関係を育んだと言える。
自主性を育むためのユニークな習慣として、正月に行われる「謎の儀式」も紹介したい。元旦の朝食時、家族全員の前でその年の目標や抱負を発表するのだ。「ちょっと恥ずかしいし、でも決意が固まる」と裕司さんは語る。弟の健介さんも中学時代、「意志なき者に道はなし」という言葉や目標を部屋の天井に貼り、毎日眺めていたという。自分の意思を言語化し、目に見える形にすることで、目標達成に必要な行動を自ら選択できるようになる。
重要なのは、子どもが壁にぶつかった時の親のスタンスだ。健介さんは、スランプ時に両親が「ああだこうだ言わない」で見守ってくれたことに感謝している。「頑張ってるんだから、そんなにもう頑張らなくていいよ」と母は寄り添い、父も求められた時以外はアドバイスを押し付けなかった。この「付かず離れずの距離感」が、社会人になった今でも父とキャッチボールを楽しむような、理想的な親子関係へと繋がっている。
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