“打てる確率”は準備で決まる…元首位打者が重視した「スイッチの切り替え」と「1点集中」

 “打てる確率”は準備で決まる…元首位打者が重視した「スイッチの切り替え」と「1点集中」

楽天などで活躍した鉄平氏が解説…打席でのパフォーマンスを高める「心身の整え方」

 

 ネクストバッターズサークルでの準備は、その後の打席の結果を左右する重要な時間だ。どんな準備をし、何を考えればいいのか迷う選手も多いだろう。楽天時代の2009年にパ・リーグ首位打者を獲得した鉄平氏は、現役時代、相手投手のデータ整理と自身の体のキレを確認する場として活用していたという。

 

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 鉄平氏がまず行っていたのは、情報の整理だ。過去の対戦記憶から「カウント1-1ならカーブが多い」といった配球の傾向を思い出し、狙い球を絞る。思考が整理できたら、次は体の確認作業に移る。その日の練習で決めたスイングのイメージ通りに体が動くか、股割りをしたり、腰を伸ばしたりしてチェックする。特に効果的だったのが「ジャンプ」だという。下半身を中心に全身へ強い刺激を入れることで、体を"バッティングモード"へと切り替えていた。

 

 タイミングの取り方においては、すべてを確認しようとせず、要点だけを絞ることが重要だ。鉄平氏の場合、軸足(左打者なら左足)に体重を乗せるタイミングだけに集中していた。投手のフォームやクイックの速さに合わせ、「軸足に乗せるところさえ遅れなければ、あとはなんとかなる」という感覚で微調整を行う。あれこれ考えすぎず、打席に入ったら相手投手のボールだけに集中するためだ。

 

 また、鉄平氏はユニークなルーティンも実践していた。それは、サークル内の滑り止めスプレーや重り、ロジンバッグなどをすべて投手側に向けて「整理整頓」することだ。散らかった状態よりも綺麗な状態で打席に向かう方が、気持ち良く打席に臨めるだけでなく、一瞬だけ野球から離れる時間を作ることで、過度な緊張や入れ込みすぎを防ぐ効果があったという。

 

 打席前は「打ちたい」という欲や周囲の視線で頭がいっぱいになりがちだ。だが、道具を整えるという何気ない動作で心にブレーキをかけ、冷静さを取り戻すことができる。情報を整理し、体に刺激を入れ、心を落ち着かせる。この一連の準備こそが、一流のパフォーマンスを生む土台となるのだろう。

 

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