元楽天投手の土屋朋弘氏が推奨する投球動作の「ブレ」をなくすための練習法

 

　もっと速い球を投げたい、コントロールを良くしたいというのは、投手であれば誰しもが抱く願いだ。しかし、闇雲に腕を強く振るだけでは、球威や制球力は向上しない。元楽天投手で現在はコーディネーショントレーニングで多くの投手指導を行っている土屋朋弘氏は、投じるボールの威力を高めるために、体の連動性とバランス能力を養うことの重要性を説き、日々実践できる練習法を紹介している。

 

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　投球において重要なのは、下半身で作ったエネルギーを指先までロスなく伝えることだ。「上と下の連動」がうまくいかないと、力が分散してしまう。また、投球時に体が流れてしまうと、制球も定まらない。土屋氏は、これらを改善するために「ステップ＆ヒット」と「ハーフターン」という2つの練習法を挙げている。

 

　まず行うのが「ステップ＆ヒット」だ。左右にコーンなどの目印を置き、パートナーがボールを上げる方向に合わせて移動し、バレーのスパイクのようにボールを叩く。この時、ボールが右側に投げられた場合は右腕で、左側の場合は左腕でボールを捉えることで左右ともに感覚を養うことができる。ポイントとしては「しっかりと肘を上げて、できるだけ最高点で叩く」ことが重要だ。腕だけで叩くのではなく、ステップの勢いと連動させて、高い位置でインパクトする感覚を養う。左右それぞれ5本程度行うと良いだろう。

 

　次は回転動作を加えた「ハーフターン」。地面に紐などでラインを引き、その線を回転しながら飛び越えて着地する。ジャンプ前には「しっかり腰に力を入れて、すぐジャンプ、動き出せるような体勢」であるパワーポジションを作ることが大切だ。回る方向は左右どちらでも構わないが、着地した瞬間にグラつかず、ピタッと静止することを目指す。

 

　このドリルの目的は、「投げて着地した時のバランスや、体のブレをなくす」ことにある。着地が安定すればリリースポイントも安定し「コントロールと腕の振りを向上させることができます」と語る。1日10回を目安に、しっかりと止まることを意識して取り組んでみてほしい。

 

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