
GG賞4度の名手が明かす守備の“秘策” 失敗を恐れない外野フライ捕球術
“外野の名手”坂口智隆氏が伝授する正面の打球攻略法
"最後の近鉄戦士"として20年間プロで活躍し、ゴールデン・グラブ賞を4年連続受賞した坂口智隆氏が、フライ捕球の基本ともいえる「打球の追い方」のポイントを語っている。一見単純に思えるフライ捕球だが、成否は打球をどう追うかで決まる。特に正面の打球をいかに安定して捌くかが外野手の腕の見せ所となる。
・【無料イベント参加受付中】12.1開幕|悪癖を直して、球を変える「投げ方改善4DAYS」に今すぐ申込む
一般的には、打球を追いかける際にボールから視線を外して最短で落下地点に入ることが望ましいと言われている。このボールから目を離すことが、いわゆる「目を切る」という動作だ。坂口氏はその定説とは違う「目を切らずにボールを追い続けること」を重視しているという。打球を目で確認しながら追うことのメリットは、捕球の成功確率を上げることと、打球を見失う不安を軽減することにあるという。
一瞬でも目を切る必要が出る場合もあるが坂口氏は慎重だ。条件は「目を切るのは得意な方に体を回す一瞬」だけだという。そこからは、再び視線をボールに戻して一定距離を保ちながら平行に走り込むことが求められる。これにより、正確な捕球と次の動作へのスムーズな移行が確保される。この一連の動作を可能にするのは、徹底した地道な練習の積み重ねだ。
また、坂口氏は「正面の打球は極めて難易度が高い」と指摘。正面から打球を追うことで動きが制限されやすく、特有の「万歳ミス」につながる可能性がある。このリスクを回避するためには、「どんな時も一直線には追わず、体を(打球方向の)線からずらして体の横で捕球する」ことが重要だという。
具体的な練習法としては、地面にラインを引き、得意な方向に体を切り返して走る練習が推奨されている。「正面ではなく横で捕る」メリットは、グラブの操作がしやすくなることに加え、次の動作への速やかな移行が可能になると説明している。
守備の基礎こそが積み重ねた練習で形作られることを改めて実感させられる坂口氏の指導。選手が不安を感じずスムーズに動けるようにする。そのためのアプローチ法が細かく実践例と共に語られている。確実に捕り、次につなげる。その一挙手一投足にこそゴールデン・グラブ賞受賞者の技術と哲学が凝縮されている。
関連動画
・"足は誰でも速くなる"今すぐ実践すべき「走力向上プログラム」/村田和哉
・MAX155キロの指導者監修 年代別|好投手育成プログラム/NEOLAB




