【少年野球ダイジェスト】学童野球に長時間練習は必要か?目標達成と部員増加を両立させる指導哲学(’25 11/27)

【少年野球ダイジェスト】学童野球に長時間練習は必要か?目標達成と部員増加を両立させる指導哲学(’25 11/27)

本日の注目テーマは「野球競技人口の維持と指導法の変革」。中学部活動の地域移行が抱える課題、練習時間の適正化、そして打撃技術の基本習得法まで、少年野球の指導者や保護者の皆様に役立つ情報をお届けします。

 

学童野球に長時間練習は必要か?目標達成と部員増加を両立させる指導哲学(参考:First-Pitch - 指導法)

 

学童野球の長時間の練習について、スポーツ科学・発達科学を専門とする東京農業大学の勝亦陽一教授と、全国制覇3度を誇る多賀少年野球クラブの辻正人監督がそれぞれの視点を語っています。勝亦教授は「目標達成のために朝から晩まで練習が必要なら、それはやるべき」と、大事な大会で結果を残すために長時間の経験も必要だと主張しています。一方、辻監督は方針を転換し「練習時間を短くすることによって部員が増えた」と効果を強調。現在は半日で3時間から5時間練習し、残りの時間はグラウンドを開放して親子練習とする形を取り入れています。これにより、物足りない子どもは午後から親子で練習する状況が生まれました。勝亦教授は、技術向上に必要な練習時間は目標によって異なるとし、チームの理念、目標、活動内容が選手と保護者と「一致していることが一番大事」と強調。多賀少年野球クラブのように明確な方針を示し、子どもと保護者が選択できる柔軟な環境づくりが、現代の親子に支持される鍵だと示唆されています。

 

【無料イベント参加受付中】12.1開幕|悪癖を直して、球を変える「投げ方改善4DAYS」に今すぐ申込む

 

中学野球の未来を左右する「地域移行」と「初心者の居場所」の確保(参考:First-Pitch - 指導法)

 

国の方針で公立中学部活動の「地域移行・地域展開」が進む中、「中学から野球を始めたい初心者の居場所がなくなるのではないか」という懸念が高まっています。11月15日にプロ・アマ合同で初開催された「全日本野球サミット」でも、この問題が論議されました。スポーツ庁の認定制度の中では、「強いチーム」を作りにくく、要件を満たさず行政の干渉を避け「勝利にこだわる」クラブが現れる可能性が指摘されています。このケースが常態化すると、上手い子だけが集まることで初心者や野球を楽しみたい子の居場所がなくなり、野球人口の減少につながるという危機感が示されています。一方で、中体連の調査では、中学軟式野球部員数は2001年度の32万2229人から今年度13万9240人へ大幅に減ったものの、昨年度から2年連続で微増しているデータがあり、特に「小学校の時に野球をしていなかった初心者」が中学で野球部の門を叩くケースが多いことが特徴です。同サミットに参加した栗山英樹氏(日本ハムCBO)は「野球が手本を示したい」と、プロアマ、教員が手を携えて子どもたちのために進む意欲を示しました。

 

下半身主導の確実な打撃を身につける「軸安定」ティー打撃ドリル(参考:First-Pitch - バッティング)

 

打撃の確実性を高めるためには、無駄のないスムーズなスイングが求められます。巨人や第2回WBC日本代表でチーフスコアラーを務めた三井康浩さんは、初心者によく見られる軸足のかかとに体重が乗ったままのスイングでは、十分な回転が得られず、インパクトで力が入らないと指摘しています。そこで、体の軸を意識した下半身主導の打撃を身につける2つのティー打撃メニューを提案しています。1つ目は、踏み込み足の膝を90度にロックし、右打者なら右のお尻を回す意識でスイングする練習。膝が動くと体がブレるため、自然と体の中心を意識する動作を習得できます。2つ目は、スクワットから真上にジャンプし、空中でスイングの予備動作を作った後、着地の反動を利用して下半身主導でスイングする練習です。着地の際は重心が安定した姿勢になるため、適切な状態でスイングを行えます。三井さんは「上体で振り出すのはNGです。下から回していくのが基本です」とアドバイスしており、これらの練習を繰り返すことで、体の軸への意識が高まり、理想のスイング軌道習得につながると解説されています。

 

編集部のコメント

競技人口を維持し、次世代へ野球の楽しさを伝えるためには、勝利至上主義ではない多様な価値観を認める指導法の進化が必要だと感じさせられます。

 

関連動画

"足は誰でも速くなる"今すぐ実践すべき「走力向上プログラム」/村田和哉

MAX155キロの指導者監修 年代別|好投手育成プログラム/NEOLAB

【米国流指導法】段階的アプローチ 「フィールディングスキル向上プログラム」/菊池タクト

140キロ超の直球を投げる技術習得「年代別・ピッチング上達ドリル」/高島誠

無料
登録