指導者に求められる“方向性”の示し方 名将の言葉から学ぶ選手の未来を決める思考

指導者に求められる“方向性”の示し方 名将の言葉から学ぶ選手の未来を決める思考

鈴木尚広氏が説く指導の本質、子どもを伸ばす鍵

 

 指導現場において、どのように子どもを導くべきか――。野球を始めたばかりの子どもから見れば未知の世界であり、右も左もわからぬ子が大勢いる。だからこそ指導者が方向性を示すことが必要だ。現役時代に巨人で活躍した「足のスペシャリスト」鈴木尚広氏が、指導者が持つべき"考え方"について語っている。

 

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 鈴木氏は「指導者によってその選手たちの命運が分かれる」とし、指導者の正しい導きの重要さを語る。その中で、巨人・原辰徳前監督のエピソードも紹介している。

 

 指揮官は常に「練習の時は疑心暗鬼でやりなさい」と声をかけたという。その言葉を鈴木氏も常に意識して「練習時は自分を疑う。それによって癖を見つけ修正するのが『練習』」と自らの指針になっていたことを明かす。

 

 恩師から授かった言葉は、選手を指導する立場になって、より理解が増した。選手自身が自ら"足りない部分"に気づくこと、それを学んで補うことが将来的な技術向上に直接つながると断言。指導者は、その"気づき"のきっかけを与える機会を多くもたせることが重要になるという。

 

 さらに、情報がすぐに手に入る時代となった現代において必要な考え方にも言及している。重要なのはその情報を「自分に落とし込む」努力だと語りかける。簡単に試してすぐ諦めてしまうのではなく、失敗や成功という"結果"よりも、それを体に馴染ませるプロセスこそが運動神経の発達や感覚向上のカギとなる。それこそが技術練習の真髄だ。

 

「継続して続けること」の価値も忘れてはいけない。野球の技術を習得する道程は平坦ではない。「こういう感覚だな」と思える瞬間を増やすためには、一歩一歩進むしかないのだ。その結果、スタートが早くなる、打球が遠く飛ぶなどの成長が実感でき、次のステップへと進めるようになるという。

 

 諦めず挑戦し続けてこそ、少年・少女の中に秘められた可能性が開花する。指導者は子どもの"伸びしろ"を信じてアプローチを続けてほしい。

 

※経歴・情報は取材時

 

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