ダブルプレーかバックホームか 状況別で学ぶ「走者一、三塁」守備の極意

ダブルプレーかバックホームか 状況別で学ぶ「走者一、三塁」守備の極意

大引啓次氏が説く「走者一、三塁」守備の優先順位とは

 

 走者が一塁と三塁にいる状況は、守備側は戦略と判断力が求められる場面だ。打球の種類や位置に応じて「ダブルプレーを狙うべきか」「ホームでアウトを取るべきか」などを瞬時に判断しなければならない。NPB3球団で活躍した大引啓次氏は「1アウト一、三塁の場面では、まずはダブルプレーを狙い、取れない打球なら速やかにバックホームに切り替える練習を重ねるべき」と強調している。本番を想定した練習で、選択の精度を上げていく必要がある。

 

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 大引氏は前提として「打球に応じた状況判断は難しい」としつつも、「基本戦略として常にダブルプレーが頭にあるべき」と語りかけている。原則、アウトを2つ取ることを想定して「打球が弱かったらバックホーム」といった行動基準を明確にすることが重要だ。さらに、二遊間の守備位置は「キャッチャーの肩の強さやランナーの足の速さによりポジショニングが変わる」という点も、個々の理解を深めるための鍵となるだろう。

 

 一塁走者が盗塁を狙った場合、二遊間の助け合いやポジション調整も重要になる。捕手の送球に、状況に応じて二塁でアウトにするか、カットしてバックホームするといった一瞬の判断が重要になる。あらゆる状況に備え、守備を一体で考えられる練習を取り入れると、試合本番で落ち着いた対応が実現する。プロでさえ難しさを感じる場面において、日頃の練習がその成否を分ける。

 

 また、守備の工夫は攻撃においても武器になる。試合中、相手守備のフォーメーションを把握し、それに応じた作戦を立てる力が必要だ。「相手の動きを観察し、その裏をかいた攻撃が展開できるのは、対戦相手の戦略を理解している証拠」と語る。守備練習の積み重ねが攻守の両面に活きるのだ。例えば、ヒットゾーンを狙うエンドランやスクイズもこうした知識があればより有効になる。

 

 練習では複雑な動きを繰り返す一方で、試合本番ではシンプルなプレーに徹することが選手を救う。「無理をしてすべてアウトにしようとして全員セーフにする事態は最も避けるべき」と指摘するように、守備において無駄を削ぎ落とす判断が必要だ。基本的な目安と優先順位を明確にした練習がチーム力を引き上げる。

 

※経歴・情報は取材時

 

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