森野将彦さんが指南する打撃感覚向上の秘密

 

　打撃の向上を目指すうえで、闇雲にスイングを繰り返すだけでは不十分。いくらいいスイングをしていても、肝心のタイミングが合わなければ、良い打球は飛ばない。現役時代は中日で活躍し、勝負強い打撃から「ミスター3ラン」と呼ばれた森野将彦さんが、自身が取り組んでいた練習法から、タイミングを合わせる極意について語っている。

 

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　第一に練習に取り入れるのがバント。打撃練習の最初に行う意図について、「ピッチャーと自分の距離、ポイントまでの距離を確認するため」だと説明する。打球を一塁側と三塁側に転がして、自分とボールの空間的な関係性を掴むことが重要だと語っている。

 

　次に提案するのがバスター練習だ。この練習は「自分でミートポイントを出しておくことから始まり、そこから（バットを）引いて、引いた位置からもう一度バットを出す」過程を体に掴ませるためのものだという。さらには、「ゆったりタイミングを取ることで、余裕を持ったスイングができる」と述べ、力みによるミスを防止する重要性を強調していた。このスイングを5～10球行うことで、打席での感覚を調整することができる。

 

　普段の練習では、ボールを「迎えに行ってしまう」場合がある。その形ではボール球に手が出たり、ミートポイントが不安定になるなどの弊害が生じる。バントとバスターの練習を取り入れることで自分のスイングを軸に、無理のない打撃リズムを身につけることができるという。

 

　森野さんは最後に「力みではなく、いい打球を飛ばすというイメージを持つことが大切」と述べた。バントとバスターの練習を通じて、スイングの質とタイミングの正確さを高める取り組みが、試合での結果を変える。基礎を重視したこの内容は、選手の未来に活きる極意だ。

 

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