後ろ足と体幹の連動で“速球対応力”を劇的向上させる方法

後ろ足と体幹の連動で“速球対応力”を劇的向上させる方法

「バット抱えヒッティング」で挑む! 菊池タクト流下半身強化

 

 野球スキルコーチの菊池タクト氏が指導するアメリカ式スキルアップドリルの1ヶ月目は、小学校高学年を対象にした打撃トレーニングに焦点を当てている。テーマは「下半身の回転動作を習得すること」。この時期の選手たちは速球への対応力や力強い打撃を求められるが、これを達成するには下半身の使い方が重要となる。「スイング軌道を崩さずスピードを高めるために、後ろ足の可動や体幹との連動を強化しよう」と繰り返し説いている。

 

【動画】小学校高学年 打率向上|強い打球の源「下半身ドリル」

 

 菊池氏は25歳で高校教師を辞めプロ指導者の道を選び、渡米を経て得た経験を基に子どもたちへ指導を行ってきた。アカデミースクールやSNSで発信するコンテンツの一つが「3ヶ月で打撃が変わるアメリカ式スキルアップドリル」だ。段階別に構成され、小学校高学年1ヶ月目では特に「下半身の回転」に集中。「速いボールを力強く打ち返す準備として、下半身から安定したスピードとパワーを出せる技術を磨く」と語り、保護者やコーチへも丁寧な解説を添えている。

 

「バット抱えヒッティング」は、このプログラムにおける最初の基礎ドリルだ。ティースタンドを使いながら、バットを「グリップではなく肘上に乗せる形」で構える独自のフォームを実演。一連の動作を通じて、後ろ足の回転と胸の連動を強調している。「肘を高く保ったまま胸を傾け、後ろ足のつま先や膝をセンター方向へ回転させてみよう」と述べ、さらに「ゴロにならないスイングを目指し、後ろ足でしっかり支えることが大切」と細かく指摘している。

 

 他にも「ボールスロー」というドリルも取り入れられている。ここでは腕の動きと下半身の回転をより実践的に結び付ける内容が特徴的だ。「軽く足幅を広げ、ボールを腰の後ろにセット。後ろ足と胸の連動に重きを置き、センター方向を目指してライナー気味に投げることで、スローイングと打撃の感覚を近づけていく」と解説。こうすることで、フォームが崩れることなく下半身主導のスムーズなスイングが習得できる。

 

 指導の中で菊池氏は「後ろ足が不十分に回ると、スイングやスローの軌道が狂い、いわゆるドアスイングになりやすい」と警鐘を鳴らしている。逆に「つま先や膝、腰が正確に回転すれば、フォームのバランスも安定し、ボールとの距離感も効率よく保てる」と強調。また指導者に向けては「足裏4本指での支え方や肩・腰の回転具合を打ち終わりに確認してほしい」と具体的なアドバイスをする場面も見られた。

 

 動画に沿った2種類の練習は、1日10球を2セット行うことが推奨されている。継続的に取り組むことで体幹と下半身の連動を意識しながら動作の精度を高められるという。野球を始めたての保護者にも理解しやすいよう、理論と実践がバランスよく構築されたトレーニングだ。子どもの可能性を最大限に引き出すためにも、このプログラムへの積極的な参加を勧めたい。

 

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