出場チャンスを格段に増やす 昨夏中学日本一・取手リトルシニア監督が「守備を重視する」理由
■高校では守備要員の選手がレギュラーを獲るケースが多い
昨夏の「第16回全日本中学野球選手権大会 ジャイアンツカップ」で中学硬式野球日本一に輝いた取手リトルシニア(茨城)の石崎学監督は、指導理念の一つに守備能力の向上を挙げる。平日に行う守備練習では基礎を中心に何度も反復し、上達を促している。では、どうして打撃ではなく守備なのか。TURNING POINTでは、その考えを余すことなく披露している。
2007年の創部以来、数多くの教え子を輩出してきた石崎監督は、高校で守備要員だった選手がそのままレギュラーを獲るケースを見てきた。DH制のない高校野球において、レギュラーになりたければ、必ず9ポジションのうちのどこかに就かなければならない。打撃がよくても守備ができなければ代打要員で3年間を終えることもあるため、「先々高校、大学でレギュラーとして出ようと思った時に、最低限の守る能力を持っていることが必須」と力説する。
年間を通じて一切メニューを変えないという平日練習は守備、打撃、トレーニング系の3つのうち、一学年が2つを行うように振り分ける。土日の実戦に向け「平日練習は個人の技術を身につける」ことのみに焦点を合わせ、各自が与えられたメニューをこなす。守備はゴロを捕る動作、ゴロを捕ってから投げるまでの動作、挟殺プレーといった基本練習を、ナイター照明の中で繰り返すこともある。その際、全員が内野で守備練習を行う。
【実際の動画】重視するのは「守備」 取手シニア石崎監督の練習方法と考え方がわかる中学日本一の指導方法
「例えば、明日は試合だから君は外野だよ、という話で、上のステージではサードをやらせてもらえるかもしれない。守れるポジションが多ければ、その子のチャンスは広がってくる」。中学で内外野を限定することなく、さまざまなポジションを守ることができれば、高校でレギュラーを獲るチャンスも格段に増える。
さらに練習は全員に同じ質と量のメニューを提供する。そこにはメンバーやメンバー外といった優劣の差はない。「先でやり続けるために可能性を上げる。結局はそこに戻ってくると思います」。見据えるのは先のステージ。一人でも多くの選手が高校で活躍することが石崎監督の願いだ。
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