甲子園出場とプロで活躍できる投手指導 育成時代に「やっておいてほしい」こと

甲子園出場とプロで活躍できる投手指導 育成時代に「やっておいてほしい」こと

■「Perfect Pitch and Swing」長坂秀樹氏の育成ドリルを詰め込んだコンテンツ

 

 神奈川県藤沢市の駅近くにある「Perfect Pitch and Swing」は、65平米ほどのビルの一室で、小中学生を中心に約120人が受講する野球塾。指導する長坂秀樹さんはボーイズリーグの強豪「湘南クラブ」でコーチをした時期もあり、東海大相模から中日にドラフト1位で入団した小笠原慎之介投手も指導した。「どうしたら速い球を投げられますか?」と目を輝かす左腕にメジャー流のトレーニングを伝え、甲子園優勝投手の素地を築いた。

 

 長坂さんは東海大三(現・東海大諏訪)時代にエース右腕として夏の甲子園に出場。大学卒業後は米国やカナダなど4か国でプレーした最速152キロの独立リーガーだった。指導者なりたての頃は「『教えて上手くしなきゃ』と思っていました。今はヒントを散りばめて、子どもたちが自分で答えを見つけるのを待てるようになりましたね」。米国で学んだ時間もあるため、野球とはまた違う“ベースボール”を肌で感じてきた経験が、指導内容や考え方に色濃く反映されている。「教えられたことに、すぐ『はい』と頷かないでいいよと言っていますね。僕が言っていることだって疑えと」。

 

 監督、コーチからの指示に、直立不動で返事をするしかなかった自身の若かりし時代。練習の意図すら理解することなく、ただ数をこなしていた我慢の記憶は今も残っている。海を渡って米国の子どもたちと接する機会があった時、次から次に質問の挙手があることに驚いた。「なんで?と思って、自分で理解してやらなきゃ身につきませんからね」と言う。

 

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 “いい選手は、いいコーチを見つけるのが上手い”がモットー。だから指導者として、向学を怠るわけにはいかない。「子どもたちからの質問に『いいからやれ!』という指導者は、1番ダメはケース。答えられなかったこちらの勉強不足だし、僕は正直に『調べるから時間をくれ』と言うようにしています」。自らが思う正解を押し付けることが指導とは思わない。

 

 このような指導者としての考え方を持つ長坂氏が紹介するTURNING POINTの技術動画は多岐に渡る。小中学生に多い課題「インステップ」修正のトレーニングや、小笠原が中学時代から実践していた投球前の股関節体操、お尻強化のトレーニング、投球に力強さを増す体操など、投手力をアップした選手にとっての強化ドリルが満載。指導者に見てもらい動画も多く、すべては経験に基づいた選手ファーストの考え方から。説得力のある内容になっている。

 

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