「フロントステップ」一辺倒はNG 捕球体勢で変わる最適なステップワーク

「フロントステップ」一辺倒はNG 捕球体勢で変わる最適なステップワーク

■野球スキルコーチ・菊池タクト氏「最適なステップを体に染みこませる」

 

 野手が実戦において、しっかりとした捕球姿勢がとれないままスローイングしなければならない場面は数多くある。ただ、どんな捕球姿勢であっても、右利きならば、右足を前に踏み出していく「フロントステップ」一辺倒でスローイング動作へと入っていないだろうか。米国で野球を学んだスキルコーチの菊池タクト氏は、「それぞれの捕球姿勢に最適なステップがある」と話す。

 

「打球によって全部が全部、前に出ながら、股を割って捕れるわけではない。横向きで捕ったり、バックハンドで捕ったりする姿勢もある。それぞれに最適なステップを体に染みこませておけば、試合の時のとっさにそういうプレーができて、無理な体勢からでもバランスを整えて投げることができます」

 

 動画の中では、「シャッフルステップ」と「バックステップ」を紹介している。ともにフォアハンドでボールを捕球後、ステップを踏みながら方向転換し、スローイング動作を整えていく。動画内では、菊池氏が実演を交え、ドリルを紹介している。

 

【全内野手必見】どんな捕球姿勢でも対応可能…送球が安定する米国式ステップワーク

 

 ここで注意したいのは、ステップよりも先にボールの握り替えを行うという点だ。「ステップが先に行くと、ボールの握り替えがおろそかになります。まず、フォアハンドでの片手捕球から、グラブハンドを、投げる方の手に持っていけば、それだけで胸が前に向いてくれます。これにステップを入れて方向転換していけば、スローイング方向に体を捻ることもできます」。

 

 守備の上達は細かなハンドリングだけではない。足回りから見直していくことが、ひいてはスローイングの正確性にもつながってくる。少年期からそれぞれの捕球体勢に合わせたステップを繰り返し練習、習得して、守備の引き出しを増やしていきたいところだ。

 

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