投手が育つ秘密は“指摘しない”指導 クセ矯正より大事なもの…好投手を輩出する育成方針

投手が育つ秘密は“指摘しない”指導 クセ矯正より大事なもの…好投手を輩出する育成方針

■上一色中・西尾監督が明かす、好投手を育成する独自の指導法

 

 指摘し過ぎない指導で好投手を輩出している中学軟式野球チームがある。東京・江戸川区の上一色中は、これまで全国中学校軟式野球大会で2度の準優勝、全日本少年軟式野球大会では2022年に初優勝に輝くなど、中学軟式野球の強豪として知られている。

 

 動画では上一色中の“投手育成”にスポットを当てている。西尾弘幸監督は「投げ方において『これは違うよ』などの指摘をしないようにしています」と明かす。指導者のアドバイスは逆効果になる可能性もあるため指摘は最小限にとどめているという。

 

「できていないことを指摘し過ぎると、選手はそれを気にして考え込んでしまいます。投げ方に問題があるからうまくいかないと感じ始めると、思うように体を動かせなくなってしまう可能性があります」と話し、選手がいかに気持ちよく投げられるかを最優先に考えている。

 

 その上で西尾監督が大切にしているのはキャッチボール。上一色中では、20分から30分近くキャッチボールの時間を設けている。「入学した時からしっかりやろうと伝えています」と話し、キャッチボールを通して“投げる”ことの土台作りを行っている。また、「人差し指と中指の第1関節をボールの縫い目にしっかりかけることを意識させています」と、ボールの握り方とリリースする際のポイントも紹介。動画ではリリース強化の方法として、自宅でできるトレーニングやメンコを使った練習法などを取り上げている。

 

【指導者必見】投げ方のクセは指摘しない 好投手を輩出…中学日本一監督の指導術

 

 続いて西尾監督はトレーナー指導についても言及。今はトレーナーが在籍するチームが増えており、投手はどこをどう鍛えたら投球に活きるかを具体的に知ることができる。「良いボールを投げるためには体の使い方を知ることも絶対に大事。それが怪我予防にもつながります」とトレーナーの重要性を語っている。

 

 投げることの基盤となる部分はしっかりと指導するが、投球フォームなどは選手に合った形を尊重することで好投手を輩出している上一色中。動画で紹介されている西尾監督の育成術は、選手を指導する際の引き出しを増やしてくれるはずだ。

 

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