「意味のない怒鳴りは不必要」ブレなかった指導方針 11年目で初の日本一になれたワケ
■「第53回日本少年野球春季全国大会」で優勝した東海中央ボーイズ
今年3月に行われたボーイズリーグ「第53回日本少年野球春季全国大会」中学生の部で初優勝を果たしたのが、チーム結成11年目の「東海中央ボーイズ」(以下、東海中央)だ。約20人の指導者の下、明確な育成方針で選手の成長を促している。First-Pitchでは、小・中学世代で日本一を成し遂げた12人の監督に取材。今回は東海中央を率いる指揮官の言葉から、選手の成長を促す“ヒント”や勝つための戦略を探った。
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「チームの大方針は“継続は力なり”。練習をやることで、心身共にタフな選手を作ることが大事だと思っています。雨が降っても半日で休みになったことはありません。数をこなし反復することで体が覚えます。否定されることもありましたが11年間、そこはブレていません」
こう語るのは鹿児島実業で1991年に春夏連続甲子園に出場し、社会人野球・新日鐵名古屋でもプレーした竹脇賢二監督。チームは毎年のように1学年に20~30人の選手が入部するため、選手層は厚い。打撃、守備、走塁、投球など各部門の指導者が練習を担当し「個の能力を上げていく」ことを重要視している。
チームは大所帯だが試合ではレギュラーを固めた“9人野球”ではなく、ベンチ入りした選手を適材適所で起用する。投手も学年ごとに球数を決めており、段階を踏みながら登板。全国大会では5日で6試合をこなすこともあり、基本的には複数投手制を採用している。
■好プレーが出ると、敵味方なく出る「ナイスプレー」の声
「結果として色々な経験を積ませたい。よく言われる全員野球。中学生で肩肘を壊してもらいたくありません。継投のタイミングは、打たれる前に代えてあげることを意識しています。投手は良い心理状態で終わってもらいたいですね」
選手たちとの接し方にも人一倍、気を配る。竹脇監督の現役時代は罵声怒声が当たり前の時代。「昔が良い悪いではない。怒られることで強くなってきたことも事実。それは否定しません。今の子どもたちはそういう環境で育っていないので、それを求めることは違う」と語る。
選手を萎縮させる意味のない怒鳴りは不必要。試合中も敵味方関係なく好プレーが出ると全員で「ナイスプレー」の声が、自然に出てくる。「人間は褒められると嬉しい。そういった気持ちもないと上手くいきません。ただ、緊張感も必ず必要です」。硬式球は一歩間違えれば大怪我に繋がる。練習中は定期的に大きな声を出しながら、打球の行方などを全員で確認。オンとオフの切り替えを間違えることはない。
竹脇監督は、今月25日から5夜連続で行われる「日本一の指導者サミット」に参加予定。時代の変化に対応し“質と量”でチームを強化する指導が、チーム結成11年目で全国制覇を成し遂げた理由だ。
■東海中央ボーイズ・竹脇監督も“参戦決定”!
First-Pitch(Full-Count)と野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」では9月25日から5夜連続(午後8時から)でオンラインイベント「日本一の指導者サミット」を開催する。小・中学生の野球カテゴリーで全国優勝経験を持つチームから、手腕に定評のある12人の監督がYouTubeライブに登場。指導論や選手育成術、円滑なチーム運営のヒントを授ける。詳細はTURNING POINTの告知ページまで。
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)
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