「意味のない怒鳴りは不必要」ブレなかった指導方針 11年目で初の日本一になれたワケ

「意味のない怒鳴りは不必要」ブレなかった指導方針 11年目で初の日本一になれたワケ

■「第53回日本少年野球春季全国大会」で優勝した東海中央ボーイズ

 

 今年3月に行われたボーイズリーグ「第53回日本少年野球春季全国大会」中学生の部で初優勝を果たしたのが、チーム結成11年目の「東海中央ボーイズ」(以下、東海中央)だ。約20人の指導者の下、明確な育成方針で選手の成長を促している。First-Pitchでは、小・中学世代で日本一を成し遂げた12人の監督に取材。今回は東海中央を率いる指揮官の言葉から、選手の成長を促す“ヒント”や勝つための戦略を探った。

 

【参加無料】日本一の監督たちが集結「指導者サミット」…9月25日から5夜連続で開催 子どもと本気で向き合う指導者&保護者集まれ!

 

「チームの大方針は“継続は力なり”。練習をやることで、心身共にタフな選手を作ることが大事だと思っています。雨が降っても半日で休みになったことはありません。数をこなし反復することで体が覚えます。否定されることもありましたが11年間、そこはブレていません」

 

 こう語るのは鹿児島実業で1991年に春夏連続甲子園に出場し、社会人野球・新日鐵名古屋でもプレーした竹脇賢二監督。チームは毎年のように1学年に20~30人の選手が入部するため、選手層は厚い。打撃、守備、走塁、投球など各部門の指導者が練習を担当し「個の能力を上げていく」ことを重要視している。

 

 チームは大所帯だが試合ではレギュラーを固めた“9人野球”ではなく、ベンチ入りした選手を適材適所で起用する。投手も学年ごとに球数を決めており、段階を踏みながら登板。全国大会では5日で6試合をこなすこともあり、基本的には複数投手制を採用している。

 

■好プレーが出ると、敵味方なく出る「ナイスプレー」の声

 

「結果として色々な経験を積ませたい。よく言われる全員野球。中学生で肩肘を壊してもらいたくありません。継投のタイミングは、打たれる前に代えてあげることを意識しています。投手は良い心理状態で終わってもらいたいですね」

 

 選手たちとの接し方にも人一倍、気を配る。竹脇監督の現役時代は罵声怒声が当たり前の時代。「昔が良い悪いではない。怒られることで強くなってきたことも事実。それは否定しません。今の子どもたちはそういう環境で育っていないので、それを求めることは違う」と語る。

 

 選手を萎縮させる意味のない怒鳴りは不必要。試合中も敵味方関係なく好プレーが出ると全員で「ナイスプレー」の声が、自然に出てくる。「人間は褒められると嬉しい。そういった気持ちもないと上手くいきません。ただ、緊張感も必ず必要です」。硬式球は一歩間違えれば大怪我に繋がる。練習中は定期的に大きな声を出しながら、打球の行方などを全員で確認。オンとオフの切り替えを間違えることはない。

 

 竹脇監督は、今月25日から5夜連続で行われる「日本一の指導者サミット」に参加予定。時代の変化に対応し“質と量”でチームを強化する指導が、チーム結成11年目で全国制覇を成し遂げた理由だ。

 

■東海中央ボーイズ・竹脇監督も“参戦決定”!

 

 First-Pitch(Full-Count)と野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」では9月25日から5夜連続(午後8時から)でオンラインイベント「日本一の指導者サミット」を開催する。小・中学生の野球カテゴリーで全国優勝経験を持つチームから、手腕に定評のある12人の監督がYouTubeライブに登場。指導論や選手育成術、円滑なチーム運営のヒントを授ける。詳細はTURNING POINTの告知ページまで。

 

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

 

 

※イベント参加希望の方は、遷移先のページからお申込みをお済ませください

 

【関連記事】

【#1無料動画】林泰祐|現在連載中|米国での指導経験持つトレーナー監修 年代別|パフォーマンス向上プログラム

【第1話無料】NEOLAB|現在連載中|MAX155キロの指導者監修 年代別|好投手育成プログラム

多賀少年野球クラブ監督 辻正人|カリスマ監督が直伝「幼児野球指導」 公式戦未勝チームへ授けた「勝利の秘訣」

江戸川区立上一色中監督 西尾弘幸|全国常連上一色中は なぜ選手が伸びるのか

取手リトルシニア監督 石崎学|3度の全国制覇を誇るリトルシニア監督から学ぶ 選手の未来をつくる基礎練習

無料
登録