中学生世代に必要な能力は? 日本一の監督2人が考える高校以降につながる指導法
■日本一の指導者サミット2日目 湘南クラブボーイズと青森山田リトルシニアの監督出演
5夜連続で開催される野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」のイベント「日本一の指導者サミット」は26日、2日目を迎えた。小、中学生のカテゴリーで日本一を成し遂げた監督12人を日替わりでゲストに招く内容で、今回は神奈川・湘南クラブボーイズの田代栄次監督と青森・青森山田リトルシニアの中條純監督が登場した。
通算5度の全国制覇を誇る湘南クラブボーイズは意外にも、勝ちに固執していないという。選手のほぼ100%が高校でも野球を続けることから、田代監督は「高校野球を楽しめる選手になってほしいと思っています。高校で活躍できる選手やチームに馴染める選手を育てることを心掛けています」と個の能力を伸ばす練習や積極性を伸ばす指導に重点を置いている。個々の成長の先にチームの勝利があるという考え方だ。練習では、打者も走者も守備も積極的に動くエンドランを重視している。イベントでは参加者の質問にも答えた。中学から硬式野球に進む予定の選手の保護者からは小学生のうちに必要な準備について問われ、こう回答した。
「野球が好きで、もっといっぱいやりたい気持ちを持たせることが大事です。英才教育で習うことに慣れている子どもは多いですが、重要なのは環境に慣れたり、自分で行動したりすることです。中学では自分なりの考えを持つことが重要になります」
一方、青森山田リトルシニアの中條監督は選手たちをある程度管理して、状況に応じた複数の手段や細かい情報を伝えるように意識している。自主性や主体性は重要とした上で、中学生の世代では自分で考えることが難しい面があると指摘する。
「選手たちが高校や大学に進んだ時、引き出しを選べるように中学では細かく指導しています。中学3年間はストレスを感じるかもしれないが、色んなことを伝えていくと選手には話しています」
普段の練習でも1つ1つの動きや判断を細かく突き詰め、実戦形式ではプレーを止めて中條監督が詳しく説明する時も多いという。細かい指導のゴールには「好きなことのためなら苦手なことも頑張れる人間の育成」を掲げた。「日本一の指導者サミット」は27日も開催される。
(First-Pitch編集部)
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