中学でも「今は無理しないはダメ」 怪我防止に最善も… 硬式強豪が選手に求める“覚悟”
■日程上、4~5番手の投手が投げることが多くなる準々決勝
中学硬式野球の「湘南クラブボーイズ」(神奈川)はボーイズ日本選手権3度、ジャイアンツカップで2度頂点に立った全国屈指の強豪チーム。1999年からチームを率いる田代栄次監督は“短期決戦”を勝ち抜く上で準々決勝の重要性を説く。また、選手の怪我防止に最善を尽くした上で、時にはリスクを負う覚悟も必要と語る。
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First-Pitchでは、小・中学世代で日本一を成し遂げた12人の監督に取材。今回は田代監督の言葉から、全国舞台を勝ち抜くためのヒントを探った。中学生の全国大会は1週間程度の短期で実施されるのが通例。最大のポイントは、球数制限のある投手起用となる。「逆算すると準々決勝。そこが大事かと思います」と語る。
優勝するまで5試合の場合、ちょうど真ん中に当たるのが準々決勝。主力投手を1、2回戦や準決勝以降で投入しようと計算すると、準々決勝は“谷間”に当たる。「チームで4、5番手の投手が投げることが多くなると思います。彼らがいい投球をしてゲームを拾えると、先が見えると思っています」。
通常の大会ではあまり投げる機会のない投手が活躍して勝てば、チームの士気は一気に高まる。準々決勝はトーナメントを勝ち抜く上で、大きな関門なのかもしれない。
■選手は「リスクを負ってもやらなければいけない時もある」
また、指揮官は選手を指導する上で、「今」の重要性を説くことがある。「将来、将来と言って今から逃げてはダメと言うことがあります。『高校で活躍するから今は無理をしない』と自分から言う選手はダメだと思います」と語る。さらに「リスクを負ってもやらなければいけない時もあると思うんです」と続ける。
チームは怪我防止に最善を尽くしている。専属のトレーナーがいて接骨院を併設。病院とも提携している。そうした専門家の判断を得た上で「どこかで頑張らないといけない時もある」と選手に“覚悟”を促している。
“文武両道”も湘南ボーイズの特徴だ。グラウンドの横に“学習塾”が併設されており、選手たちは週に2回、英語、数学、国語、理科の授業を受ける。学校の成績や生活態度の悪い選手は練習に参加できないこともあるう。「中学生なので、勉強は当たり前のことです」。考える力を身に付けさせ、野球と両立を図ることで相乗効果も生まれている。
部員は3学年合わせて155人の大所帯。2006年に「湘南茅ケ崎ボーイズ」を発足させて2チームで活動し、選手の試合出場機会を創出している。様々な角度からアプローチして“常勝軍団”を作り上げる田代監督は、今月25日から5夜連続で行われる「日本一の指導者サミット」に参加予定。その思考は、多くの指導者の参考になるはずだ。
■日本一5度…湘南クラブボーイズ・田代栄次監督も“参戦”!
First-Pitchと野球育成技術向上プログラム「TURNING POINT」では9月25日から5夜連続でオンラインイベント「日本一の指導者サミット」を開催する。小・中学生の野球カテゴリーで全国大会優勝経験があるチームから、手腕に定評のある12人の監督がYouTubeライブに登場。指導論や選手育成術、円滑なチーム運営のヒントを授ける。詳細は以下のページまで。
(片倉尚文 / Naofumi Katakura)
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