全国屈指の中学クラブチームの運営方針は? “選手ファースト”の考え方でチーム強化
■勝本俊朗オーナー兼球団代表の熱意浮き彫り
千葉・東都クラブ京葉ボーイズは、中学硬式野球“5大大会”のうち4大会で優勝経験があり、残るジャイアンツカップでも昨年8月、決勝に進出し、“グランドスラム”に迫っている。2009年のチーム創設以来、いかにして全国有数の強豪に上り詰めたのか。勝本俊朗オーナー兼球団代表が「TURNING POINT」のインタビューに答えた。その動画には、勝本オーナーの選手育成に懸ける思いが浮き彫りになっている。
京葉ボーイズでは、ユニホームの肩、練習用キャップなどに、栄光のエンブレムが描かれている。王冠が5つ描かれ、そのうち4つが金色、残る1つは銀色。過去に日本少年野球春季全国大会で2度、ボーイズリーグ東日本選抜大会で2度、関東ボーイズリーグ大会で2度、ボーイズリーグ選手権大会で1度優勝を果たし、ジャイアンツカップでも準優勝した実績を表している。勝本オーナーは「残るジャイアンツカップでの優勝をクラブ全体の目標に掲げ、(“5冠”達成という)みんなの意志を表すデザインを施しています」とうなずく。
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一方で、勝本オーナーは「ジャイアンツカップ優勝は目標ではあるけれど、目的ではない。僕らの目的はあくまで、育成にある。ですから、一部のレギュラーのためだけのクラブ運営は間違っていると思っています」と強調する。
チーム創設当初は、それまで勝本オーナーが少年野球の指導者として手塩にかけてきた選手18人でスタート。翌年には44人が入団した。以後“選手ファースト”の方針が共感を呼んでメンバーが増え、現在約150人に上る。選手たちの出場機会確保のため、2017年に京葉下総ボーイズ、2021年に八街京葉ボーイズと兄弟チームを創設し、3チーム体制を敷いている。「みんなを均等に公式戦に出場させるためには、3チームが必要でした」と勝本オーナー。「それでも、あくまで僕らはワンチームです。京葉ボーイズのジャイアンツカップ優勝という目標に向かって、150人全員が戦い、競争する。その結果、個の力が強くなり、個の力の集大成でチームが強くなっていくのだと思います」と説明する。
周囲から押しも押されもせぬ強豪と目されるようになったが、「時代ごと、世代ごとに、常に新しいことに挑んでいきたい。伝統とは、チャレンジ、イノベーション(革新)を繰り返していくことによって守られていくものだと思っています」と表情を引き締める勝本オーナー。どれだけ“冠”が増えても、選手育成という本分を見失うことはない。
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