全国強豪・京葉ボーイズが徹底している“ルール” 1点を取りに行く場面で植え付けたい意識
■ライナーはOK 投球がバットに当たった瞬間スタート
勝敗には時の運もある。ただ、安定した成績を残すチームには必ず理由がある。全国制覇3度を誇る中学硬式チーム、東都クラブ京葉ボーイズでは、勝負を決める1点を取るために無死または1死三塁からの走塁を繰り返す。「TURNING POINT」取材班が1日密着すると、一瞬の迷いも生まれないようにチームのルールを徹底していた。
本塁打や適時打で得点するのは簡単ではない。試合終盤に何とか1点を取りたい時の作戦の1つが「ゴロ・ゴー」。無死または1死三塁の場面で、三塁走者は内野ゴロで本塁へ突っ込む。
打球を見てから判断するよりも早くスタートを切れる分、ホームインできる可能性は高い。しかし、投手や三塁手へのライナーだった時は、ダブルプレーで一瞬にしてチャンスがつぶれるリスクもある。京葉ボーイズではゴロ・ゴーの場面でチームの徹底事項がある。関口勝己総監督が明かす。
「ライナーはOK。バットに当たる瞬間にスタートを切って内野ゴロで1点を狙います。投手へのゴロだった時は、三塁走者が三塁と本塁の間に挟まれるようにします」
練習では三塁走者がスタートの質を高め、打球によって自然と体が反応できるように反復する。指導者によるノックで練習する形が一般的だが、京葉ボーイズでは関口総監督がバットを握って打席に入る。実際に投手の球を打ち、試合に近い状況をつくっている。関口総監督は明治大を経てNTT関東で選手として活躍。58歳の今も選手に手本を見せられる若さと技術を強みにしている。
関口総監督は、打球のスピードや方向などを自在に操って内野ゴロを打つ。時には投手へのゴロや外野フライを交えて、ゴロ・ゴーから三塁と本塁に挟まれる動きや犠牲フライへの動きに切り替える判断を求める。選手には「ナイスラン!」、「速いな―」などと声をかけて、練習を盛り上げている。
創部14年で通算3度の全国制覇を成し遂げている京葉ボーイズ。トーナメント戦を勝ち抜くには、接戦の強さも重要になる。わずかな差でアウトとセーフ、勝負を分けるゴロ・ゴーは普段の練習で培った判断力が問われる。
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