58歳の監督自らがお手本 見せることで選手の心を掴む、全国制覇3度の選手育成法
■全国制覇3度の京葉ボーイズ 関口勝己総監督は選手と同じ目線で指導
年齢は関係ない。中学硬式強豪・東都クラブ京葉ボーイズの関口勝己総監督は、58歳となった今も選手と一緒に笑顔で体を動かす。特徴は選手に手本を示す指導。「TURNING POINT」の動画では、動ける体を維持する理由や楽しくプレーする雰囲気をつくる大切さを語った。中学硬式の指導者にとどまらず、幅広いカテゴリーの監督やコーチに届く金言が詰まっている。
創設14年で3度の全国制覇を果たしている京葉ボーイズ。チーム立ち上げから携わってきた関口総監督には、ぶれずに貫いている指導がある。
「愛情と情熱を注げば、子どもたちは育ちます。あとは基本動作。体の動きや能力は1人1人違うので、選手に合わせた教え方をしています」
関口総監督が愛情と情熱を表現する方法の1つが、選手と一緒に練習して手本を見せる指導。練習の狙いやポイントになる動きを説明する前に、自らが見本となる。実際にゴロを捕球したり、バットを振ったり、時にはスライディングもする。その動きを見れば、58歳という年齢に誰もが驚く。関口総監督は「年齢は関係ないですよ」と笑う。
「口で説明するだけでは伝わらない部分があります。どうやって打てば良い打球が飛ぶのかなど、手本を見せながら指導するのが一番分かりやすいと思います。指導者も子どもたちと同じ目線に立ちます」
【無料|実際の動画】中学強豪チームの指導理論|指導者が見本を見せれば選手は伸びる
選手と信頼関係を築く上で、関口総監督は声のかけ方や練習の雰囲気も大事にしている。自身は明治大の野球部で厳しい上下関係を経験してきたが、当時から「上下関係を厳しくして技術は向上するのだろうか」と違和感があったという。関口総監督は小、中学生の指導現場にも残る監督と選手の上下関係や怒声罵声に疑問を呈し、時代の移り変わりに応じた指導法を常に模索している。
「指導者は日々勉強です。子どもたちへの声のかけ方は変化しています。ネガティブな言葉ではなくポジティブに伝えるようにしています」
京葉ボーイズのグラウンドには、選手の元気な声が響く。練習に密着すると、選手の冗談に関口総監督は笑顔で応える場面もあった。普段の練習から明るい雰囲気をつくっているのは理由がある。
「監督の顔色をうかがってバッターボックスに立っても、選手は力を出せません。どうすれば選手が100%の力を発揮できるのかを考えています。うちのチームの選手は試合の大事な場面でも、そこまで緊張しません。指導者も楽しく練習しなければ、選手は上手くなりません」
監督は選手と同じ目線。一緒に練習して手本を見せる指導が信頼関係の構築につながっている。
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