勝負を分ける“0コンマ数秒” 中学硬式強豪が実践する「二塁盗塁&帰塁」練習

勝負を分ける“0コンマ数秒” 中学硬式強豪が実践する「二塁盗塁&帰塁」練習

■京葉ボーイズ・関口監督がTurning Pointで成功率を高める「二盗」の練習法を披露

 

 1点を争う接戦において勝敗を分けるのは、次の塁を奪おうとする意識の差だ。特に二塁への盗塁(二盗)は、得点を奪う可能性を高め、チームを勢いづけてくれるものでもある。中学硬式の強豪、東都クラブ京葉ボーイズを率いる関口勝己総監督が、Turning Pointにおいて、成功率を高める「二盗練習」の方法を実際に選手たちに指導しながら披露している。

 

「小学校も中学校もそうですが、帰塁、盗塁、スライディングは教えないもの。(京葉ボーイズでは)そこは徹底しています」と関口監督は語る。

 

 単に前のめりになって次の塁を狙おうとしても、相手のけん制に容易に引っ掛かり逆にアウトを献上してしまう。うまくリードをとりながら、いかに敵の警戒をかい潜り、二盗を成功させるか。それにはきちんと一塁に戻れる(帰塁する)技術も、当然必要になる。

 

 まずは、リード幅からだ。基本となる距離は、一塁ベースから「自分の身長+1メートル」。つまり、身長160~170センチであれば260~270センチが目安。「そこから、(二塁方向に)出られる人は、もう少し出ようねと指導します」と関口総監督。その場合、ベースの周りのアンツーカー・赤土と芝との境目が285センチであるから、その境目のラインに左足側がかかるか・かからないかくらいのリード幅になる。

 

【実際の動画】中学強豪チームの走塁指導(1) 二盗&帰塁

 

 リードをとった時の体勢も重要だ。いつでもスタートを切れるように右足はやや二塁方向に開いておき、左股関節を柔らかく使って、すぐさま左足を進行方向に送れる構えにする。とはいえ、逆を突かれた時にも対応できるように、右股関節や膝も柔らかく、そのクッションを利用して帰塁できるようにする。

 

 頭から帰塁する際にも大切なポイントがある。多くの選手は上半身を覆いかぶせるようにして塁に飛び込むが、それはNG。「バレー選手が飛び込んでレシーブに行く」(関口監督)ようなイメージで、胸で地面を滑るように低い体勢で戻るのが肝要だと、実際に動画の中で自ら手本を示してくれている。

 

 そして、スタートを切り、最後に重要なポイントとなるのが二塁へのスライディング。ベースに足がついた時に膝が曲がった状態では、スピードを活かせていない証拠。「膝を伸ばした状態の時に、ベースに足が着いているようにすること。そこが、0.0何秒の世界で、アウトになるかセーフになるかの瀬戸際になるから意識してほしい」と、関口監督は選手たちに力説している。

 

 ピッチングやバッティングとは違い、「走塁にはスランプがありません」と指揮官。いつでもチームに貢献できる“足”を磨く教材として、参考にしてみてほしい。

 

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