“普通のペッパー”は「意味がない」全国制覇3度の京葉ボーイズ・関口総監督が教える練習法
■ペッパーはどういう意味があり、どういう目的で取り入れているか
映像を見れば理解がより深まる。全国制覇3度の中学強豪チーム、東都クラブ京葉ボーイズ・関口勝己総監督の指導は簡潔かつ明確だ。「TURNING POINT」はその指導術に迫る密着取材を行ったが、今回の「ペッパー（トスバッティング）」編も“参考エキス”がいっぱいだ。そもそも、この練習の狙いは何か。まず、そこから掘り下げていって、子どもたちに教えている。もちろん、関口総監督の実演指導付き。必見だ。
京葉ボーイズで行うペッパーは“普通のペッパー”とは違う。関口総監督は「ウチは（打つ）ポイントをちゃんと確認しろって感じでペッパーをやる。打つのと一緒。ボールもピッチャーが投げるのと一緒で、しっかりトップを作りながら、しっかりとしたインサイドアウトで、しっかりワンバンで返そうねって言っている」と言い、ただ、バットに当てるだけのペッパーは「意味がない」ときっぱりだ。
子どもたちの前でのペッパーの実演指導シーンは、実に丁寧でわかりやすい。「当たるところを確認。全部へその前にグリップが来るように、一番力が入るのはへその前だよね。これがずれると力が入らない」「内から出して、後は体重移動して」「右手は上に向くようにして。（下を向くと）カッティングになるから……」。そう説明しながら、関口総監督は悪い見本も示し、なぜ、そうしなければならないかも、きっちり理解させていた。
【動画】トスバッティング（ペッパー）の練習について ポイントや注意事項を解説
「バットのちょっと下で打ってワンバンにしようね。これが芯と芯だったら、ライナーだし、バットより上だったらフライになるねってね。バッティングと同じような感じでやりましょうねって。そのポイントを確認するだけ。それができないんですよ。簡単なようでボールに対して直角にってのができないんだよね」と関口総監督は苦笑する。しかし、今はわからなくても「全然OKだと思うんだよね」ともいう。
この経験が後に生かされればいい、との考え方だ。「中学生で別にできなくても、高校とか大学に行って、あっ、こういうことを言っていたんだなってね。いろいろ引き出しがたぶん増えると思うから。それはそれでいいと思う」。これだけではない。すでに上のレベルで通用する選手を育成した実績がある関口総監督は、ほかにも中学生指導に関する理念などを映像の中では熱く話している。その指導術は奥が深い。
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